DXが導く防災ニューノーマル
先端事例が描く近未来防災
いま世はまさに「デジタルトランスフォーメーション(DX)」に向けて動き出している。新型コロナウイルス感染症の蔓延を背景に、2021年はニューノーマルのもとでのDXが進むことは確かだ。DXとはなにか――それは、「デジタルによる社会変革」である。情報技術(IT)の進化にともなって新たなサービスやビジネスモデルを展開することで、プロセスを合理化するのと同時に、働き方改革や社会そのものの変革につなげる施策を統合するものだ。防災分野も然り、「災害犠牲者ゼロ」をめざすうえで、官民の領域を横断する理念の標準化・共有化という”グランドデザイン”=防災省の設立が視野に入る。
わが国は2021年9月のデジタル庁設置を計画しているが、遅きに失する。顧みれば2001年にe-Japan戦略を打ち出して以降の過去20年間、政府や行政のIT化やデジタル化は遅々として進まなかった。その遅れは2021年に、果敢な挑戦に出会うだろう。
[ 特別企画関連 ]:国土交通省 「Project “PLATEAU”」 の始動
「防災・減災が主流となる社会」の実現に向けて
3D都市モデル、「Project “PLATEAU”」公開
●国土交通省の「Project “PLATEAU プラトー”」とは
国土交通省は発足20年目の節目を迎える2020年1月に「総力戦で挑む防災・ 減災プロジェクト~いのちとくらしをまもる防災減災~」の取組みを開始し、抜本的・総合的な対策や分野横断的に「防災・減災が主流となる社会」の実現をめざすとしている。
その一環として、昨年12月22日、「Project “PLATEAU プラトー”」と銘打って、実世界(フィジカル空間)の都市を仮想的な世界(サイバー空間)に再現する3D都市モデルの整備を進めていることを公表し、プロジェクトの成果を情報発信していくためのティザー版ウェブサイトを公開した。ティザー版では、東京23区全域を網羅した3D都市モデルなどを先行公開している。なお、「ティザー」(teaser)とは英語で「じらす人・いじめる人」といった意味を持つが、近年、これが転じて具体的な事象や画像を出さずに情報を小出しにすることによって関心を集めるマーケティング手法として「ティザー(広告など)」というジャンルが確立している。
「Project “PLATEAU”」のウェブサイトはいかなるものか――やや用語等がむずかしくなるが、「Project “PLATEAU”」ではプロジェクトの進捗プロセスを継続的に発信していくと同時に、3D都市モデルをはじめとする各種データをオープンデータ化し、誰もが活用できるようにする(Plateau=高原、丘の意味)……
《Bosai Plus》 No. 249/2021年01月01日号より(同P. 1(「もくじ」付き)へリンク)
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