震北海道から中国地方にかけて震度6弱~1
津波被害の心配はなく、若干の海面変動
【 10年前の既視感――2月13日23時08分頃の福島県沖の地震 】
●東日本大震災から10年を直前に、“あの記憶がリアルに揺れた”
東日本大震災10年の周年をひと月先に控える2月13日午後11時過ぎ、福島県沖を震源とする最大震度6強の海溝型地震が起こった。大震災被災地はもとより、北海道から中国地方までも揺らしたこの地震は、日本に住むすべての人びとの脳裏を、あの日の悪夢の“デジャヴ(既視感)”で揺すった。この10年、たびたび起こる東北地方太平洋沖地震の余震のなかでも最大規模の地震は、大震災からの復興途上、“災中”にある被災地を揺るがしたうえに、すべての人びとに、次の大地震――さらなる日本海溝沿いの巨大地震、さらには南海トラフ巨大地震、首都直下地震をはじめ、不意の内陸活断層地震など、低頻度大規模災害の“高頻度”での発生可能性を予感させたと言える。
地震発生直後の気象庁の「津波被害の可能性はない」との発表に、大きな安堵が広がったことも確かだ。津波情報の速報技術の高度化は、緊急地震速報と並んで、いまや欠かせない防災情報となった。たまたま2月10日、防災科学技術研究所の研究成果発表会がオンラインで開催され、地震・津波や大雨をもたらす線状降水帯の予知情報の開発など、高度な防災情報の技術開発の現状・課題の紹介などがあった。
こうした防災テクノロジーの進展に期待を寄せるとともに、私たちの防災意識のさらなる高度化もまた、焦眉の課題となったことを思い起こさせる福島県沖地震である。

《Bosai Plus》 No. 252/2021年02月15日号より(同P. 1(「もくじ」付き)へリンク)
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