「気候変動」のいま

温暖化という“ゆるい名”で偽装
 気候変動超巨大災害の顕在化?

気候変動を背景に、北米では「ヒートドーム」現象や
火を吐く雲のドラゴン「火災積乱雲」現象…

【 “温暖化というゆるい名”の 超巨大災害の襲来か 】

●北海道の8月は雨季? 気候変動・温暖化が“襲来”し始めたということか

 直近の報道に北海道が7月31日で8日間連続の猛暑日となったとある。滝上町で36.5℃のほか、道内9地点で35℃以上となり、大気の状態も不安定で、上川地方には大雨や洪水警報が出たという。北海道の8月は雨季とも言え、近年、水害が多発しているという分析もある。なにかおかしくはないか――気候変動、地球温暖化傾向が明らかになりつつあることは否定しようもないが、いよいよ目に見えるかたちで“温暖化というゆるい名”の超巨大災害が“襲来”し始めたということか。

 ちなみに、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル:Intergovernmental Panel on Climate Change)総会が7月26日から始まった(本紙P. 3、囲み記事参照)が、近年のわが国の水害対策の枕詞(まくらことば)には「気候変動・温暖化を背景に」が必須となってきた。ちなみに、リマインダー(備忘録)として、ここ10年ほど毎年起こった大水害の事例を列挙してみよう。

▼2020年・7月豪雨:7月3日以降に熊本県を中心に九州や中部地方など各地で集中豪雨、▼2019年・9月の台風15号(「房総半島台風」:千葉県で住宅被害7万棟など)・10月の台風19号(「令和元年東日本台風」:関東、甲信、東北地方などで大雨)・同21号:千葉県で大雨、河川氾濫・浸水・土砂災害、▼2018年・7月豪雨(西日本豪雨):西日本一帯、とくに広島県、岡山県(倉敷市など)に甚大な被害、▼2017年・7月九州北部豪雨:福岡県(朝倉市など)、大分県で被害、▼2016年・台風7号・11号・9号・10号連続来襲(グループホーム被災など)、▼2015年・9月関東・東北豪雨(鬼怒川水害など)、▼2014年・8月豪雨(広島土砂災害など)、▼2013年・10月台風26号による暴風・大雨(東京都大島町土砂災害など)

●1000年に1度の大洪水、永久凍土の溶解……熱波と大規模化する森林火災

 海外に目を転じて見ると、中国では1000年に一度とされる大洪水が発生。ドイツやベルギーなどでも大雨による洪水が多発した。熱波も世界を席巻している。米国アラスカ州にあるデナリ国立公園・自然保護区の多くが永久凍土に覆われているが、その融解が進んでいるという。永久凍土とは、2年以上にわたって0℃以下が続く地盤を言い、季節によって凍結と融解を繰り返す「活動層」の下に永久凍土層がある。この永久凍土層のうち、地表に近い部分の凍土は、1950年代にはデナリの75%を覆っていたが、2000年代には約50%、2050年代にはわずか6%まで縮小すると予測されている。

「火災積乱雲」が形成される仕組み(カナダ・ヴィクトリア州気象局資料より)。本年7月、北米、カナダ西部の広い範囲で停滞する高気圧が加熱中の鍋の「ふた」のように機能する「ヒートドーム」現象が発生し、異常な高温をもたらした。この熱波でカナダ・米国西部を中心に森林火災の延焼が続いた。大規模な火災が発生したのは13州の計80カ所以上、上空には、山火事による「火災積乱雲(pyrocumulonimbus)」が発生した。この雲は「火を吐く雲のドラゴン」と呼ばれ、竜巻や雷を発生させ、さらなる火災を引き起こす可能性もある
「火災積乱雲」が形成される仕組み(カナダ・ヴィクトリア州気象局資料より)。本年7月、北米、カナダ西部の広い範囲で停滞する高気圧が加熱中の鍋の「ふた」のように機能する「ヒートドーム」現象が発生し、異常な高温をもたらした。この熱波でカナダ・米国西部を中心に森林火災の延焼が続いた。大規模な火災が発生したのは13州の計80カ所以上、上空には、山火事による「火災積乱雲(pyrocumulonimbus)」が発生した。この雲は「火を吐く雲のドラゴン」と呼ばれ、竜巻や雷を発生させ、さらなる火災を引き起こす可能性もある

 6月下旬から、北米、カナダ西部の広い範囲で、停滞する高気圧が加熱中の鍋の「ふた」のように機能する「ヒートドーム」現象が発生し、異常な高温をもたらした。この熱波はカナダのアルバータ州やサスカチュワン州、ニトバ州、ノースウェスト準州、米国オンタリオ州北部にも影響を及ぼした。
 7月中旬には米国西部を中心に森林火災の延焼が続いた。大規模な火災が発生したのは13州の計80カ所、焼失面積は合わせて40万ヘクタールを超えた。カナダ・ブリティッシュコロンビア州上空では、記録的な暑さと山火事により「火災積乱雲(pyrocumulonimbus)」が発生した。この雲は「火を吐く雲のドラゴン」と呼ばれ、竜巻や雷を発生させ、さらなる火災を引き起こす可能性があるという。

アルゼンチン上空の火災積乱雲の衛星画像(NASA資料より/2019年1月28日)
アルゼンチン上空の火災積乱雲の衛星画像(NASA資料より/2019年1月28日)
北米を横切って漂う大規模山林火災の煙(NASA資料より)
北米を横切って漂う大規模山林火災の煙(NASA資料より)

 温暖化で、乾燥した土地では干ばつや森林火災が起きやすくなる。水分が蒸発するときに奪う熱はやがて台風などの勢力を強めるエネルギーに変わる。大量の水蒸気が大気に含まれることでより大雨が降りやすくなる。温暖化は水の循環を変化させることで災害リスクを大きくする現象となるという。
 地球をめぐる温暖化という“ゆるい名”の超巨大災害が、私たちを襲い始めた……

気象庁:世界の異常気象(発表順に情報を表示)

〈2021. 08. 01. by Bosai Plus


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