《関東大震災100年 特別構成 1》災害周年に甦る災害教訓

災害周年は災害教訓の更新好機
広域・複合・都市災害としての関東大震災

1923年関東大震災から100年――
2023年は通年で大規模災害への想像力駆使を迫る。

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●「災害周年」――記憶の継承と更新のために
 関東大震災から100年 “常在防災”で備えのアップグレードを
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大阪朝日新聞・大正13年9月15日付録から吉田初三郎「関東震災全域鳥瞰図」の一部(「災害教訓の継承~災害史に学ぶ」より)
大阪朝日新聞・大正13年9月15日付録から吉田初三郎「関東震災全域鳥瞰図」の一部(「災害教訓の継承~災害史に学ぶ」より)

 私たちは大災害の教訓を振り返るために「周年」ごとに、その記憶を思い返し、教訓を継承すべく努力を積み重ねてきた。「災害周年」とは、その意味において、決して一過性の暦上の記念日ではなく、自然災害を思い起こし、その教訓を検(あらた)め、新たな防災意識の継承と更新の日として銘記されるべき日、あるいは年となる。

 言うまでもなく災害経験・被災体験は多くの人びとにとって低頻度であり、大規模災害ともなれば、私たちは一生のうち一度も経験することがないかもしれない。しかし、これまでのわが国の有史以降において起こった大災害の数例をあげると(もちろん、中小規模の災害は列挙しきれない)、古くは貞観地震・津波(869年)、近くは富士山火山宝永噴火(1707年)、安政江戸地震(1855年)、さらに近くは関東大震災(1923年)、先の大戦末期から終戦直後に連続発生しいずれも死者1000人以上を出した4大地震(1943年鳥取地震、1944年昭和東南海地震、1945年三河地震、1946年昭和南海地震)、気象災害としての伊勢湾台風(1959年)、そして現代に至っての阪神・淡路大震災(1995年)、東日本大震災(2011年)などがある。

関東大震災映像デジタルアーカイブ動画より宮城前の和田倉濠にかかる道に発生した地割れの様子(「關東大震大火實況」より)。動画では画面奥に東京銀行集会所の西側立面が見えることから、和田倉濠にかかる道から東方の丸の内方面をみたところと思われる。1923(大正12)年9月1日午前11時58分、相模湾を震源とする地震が、関東地方を中心に激しい揺れをもたらし、10万5千人に及ぶ死者・行方不明者、200万人を超える住居焼失者を生み出した。関東大震災は戦前の日本において、社会のさまざまな領域に多大な変容をもたらす大災害だった
関東大震災映像デジタルアーカイブ動画より宮城前の和田倉濠にかかる道に発生した地割れの様子(「關東大震大火實況」より)。動画では画面奥に東京銀行集会所の西側立面が見えることから、和田倉濠にかかる道から東方の丸の内方面をみたところと思われる。1923(大正12)年9月1日午前11時58分、相模湾を震源とする地震が、関東地方を中心に激しい揺れをもたらし、10万5千人に及ぶ死者・行方不明者、200万人を超える住居焼失者を生み出した。関東大震災は戦前の日本において、社会のさまざまな領域に多大な変容をもたらす大災害だった
国立映画アーカイブ(National Film Archive of Japan, NFAJ)と国立情報学研究所の共同研究として構築・開設し、国立映画アーカイブが運営する「関東大震災映像デジタルアーカイブ」(Films of the Grea Kanto Earthquake of 1923)が、2021年9月1日(関東大震災発災日、「防災の日」)、公開された。同アーカイブは、「巨大災害の実態と社会の変容を、現在の共有知にするためのウェブサイト」と銘打つ。関東大震災100年の2023年9月1日までにすべての所蔵映画フィルムを公開予定となっている
国立映画アーカイブ(National Film Archive of Japan, NFAJ)と国立情報学研究所の共同研究として構築・開設し、国立映画アーカイブが運営する「関東大震災映像デジタルアーカイブ」(Films of the Grea Kanto Earthquake of 1923)が、2021年9月1日(関東大震災発災日、「防災の日」)、公開された。同アーカイブは、「巨大災害の実態と社会の変容を、現在の共有知にするためのウェブサイト」と銘打つ。関東大震災100年の2023年9月1日までにすべての所蔵映画フィルムを公開予定となっている
関東大震災大火実況全五巻(大正十二年九月月)(関東大震災映像デジタルアーカイブより)
関東大震災大火実況全五巻(大正十二年九月月)(関東大震災映像デジタルアーカイブより)
Bosai Plus/本紙 共同制作による「日本の災害/防災年表」まとめポータルサイトのロゴ
Bosai Plus/本紙 共同制作による「日本の災害/防災年表」まとめポータルサイトのロゴ

 このように、1000年、あるいは数百年、そして数十年、数年の間隔を“ものともせず”(1000年ぶりの大災害ですら、明日・今日にも起こり得る“自然の寝返り”として)突発する大災害は、だれもその発生を予知できない不条理な事象なのだ。
 となれば「災害周年」は、私たちに常に備える――“常在戦場”ならぬ「常在災害=防災」を喚起させる周期的・定期的なリマインダーとなる。「災害周年」はまさにその意味で、一種の災害予知情報であり、重要な自然からの警告発信だとも言える。

 1923年関東大震災から、本年は100年。この切りのいい周年はまさに、改めて災害の多いわが国で、100年という時間の流れを逆流させる「災害教訓の継承・更新」の年としなければならない。なお、1923関東大震災についての“定本”とも言うべきものは、中央防災会議「災害教訓の継承に関する専門調査会」が2006年7月にまとめた報告書だ。

災害教訓の継承に関する専門調査会報告書:1923関東大震災

 ちなみに本紙は、この一両年、関東大震災、首都直下地震関連記事を取り上げている。下記リンクから参考に供したい。

《Bosai Plus》2021年10月1日号(No. 267):関東大震災100年へ 映像アーカイブ公開

《Bosai Plus》2022年6月1日号(No. 283):首都直下地震 想定シナリオに想像力で備える

《Bosai Plus》2022年9月1日号(No. 289):関東大震災99年 日本災害史上最悪の教訓

〈2023. 01. 04. by Bosai Plus

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