石川県能登地方で5月5日14時42分ごろ、M6.5の地震が発生。震源の深さは12kmで、石川県珠洲市(すずし)で震度6強を観測したほか東北地方から中国・四国地方にかけて震度5強~1を観測。この地震で屋根を修理していた男性1人が転落して死亡した。石川県内で住宅や神社の鳥居が倒壊するなどの被害が出た。同日5日21時58分ごろに再び同地方でM5.9の地震があり、珠洲市で最大震度5強を観測した……
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大規模災害ゴミ対策のグランドデザイン
環境省は去る3月23日、日本海溝・千島海溝沿いで想定されるマグニチュード(M)9級の巨大地震が起こった場合、災害廃棄物(以下、「災害ゴミ」)が最大で2717万トン発生するとの推計を公表した。津波による泥などの堆積物は含んでいない。 同じ条件で比較すると、処理完了に3年かかった東日本大震災で発生した約2千万トンの災害ゴミを上回る。災害ゴミの推計量は、岩手県沖から北海道沖を震源とする「日本海溝モデル」が最大で、北海道沖から千島列島沖にかけての「千島海溝モデル」では1042万トンとなっている……
子どもの「自助防災」
5年ほど前、NTT東日本による調査結果(2017年12月)から、公衆電話を使った経験のない小学生が8割を超えることが明らかになり、社会的な話題となった。公衆電話は、停電や災害などの緊急時に重要な通信手段となるが、携帯電話やスマートフォンの普及により、利用機会や設置台数は減少傾向にある。子どもが公衆電話の使い方を知らない――子どもが登下校時、公園に遊びに出かけた先で、あるいは留守番時に大きな災害や危険状況に遭遇したら、親・保護者にどのようにして助けを求めるのか……
TOKYO 強靭化プロジェクト
東京都は1月27日、2023年度一般会計当初予算案を発表、一般会計は前年度比3.1%増の8兆410億円で過去最大となった。災害に備える「TOKYO強靱化プロジェクト」など、都市機能の強靱化に向けた予算は7397億円と22年度当初比で16.1%増額した。関東大震災から100年の節目となる23年度からの10年間で総額6兆円を投じ、防潮堤のかさ上げや調節池の整備を進める……
「わかる・伝わる」ハザードマップ
自治体等が作製する水害等ハザードマップ(「防災マップ」とも)には、洪水・内水・高潮・津波・土砂災害の種類があり、一般的には「自然災害による被害の軽減や防災対策に使用する目的で、被災想定区域や避難場所・避難経路などの防災関係施設の位置などを表示した地図」という定義だ。その情報は、災害時の住民における安全確保に役立つことが期待され、住民すべてに向けて(障害のある人たちにも等しく)提供されることが基本であることは言うまでもない……
気象業務「シングルボイス」と民間情報の相克
早稲田大学理工学術院の関根正人教授をはじめとする東京大学、リモート・センシング技術センターなどの研究グループは去る9月6日、2019年に開発し、社会実装に向けて準備を進めてきた東京都23区で発生する都市浸水をリアルタイムで予測するシステム「S-uiPS」(スイプス。Sekine’s urban inundation Prediction System)を、本年9月下旬から一般公開すると発表。一般公開に先立ち、ユーザーを限定した3週間ほどの先行公開期間を設けることとし、防災の日である同9月1日より開始した……
《関東大震災から99年》わが国災害史上最悪の教訓
1923(大正12)年9月1日に発生した関東大震災から、この9月1日は99年となる。来年2023年9月1日には100周年を迎え、多くの周年記念イベントや教訓をめぐる論考がメディアをにぎわすと思われるが、本紙はそれに先立ち、創刊12年号ということもあって、もうひとつの視点から関東大震災を取り上げたい。 2008年3月に公表された中央防災会議・災害教訓の継承に関する専門調査会報告書『1923 関東大震災』は、近代から現代に至るわが国の災害教訓としてもっとも重要な報告書のひとつだと言えるだろう。本紙はこれまで何度か関東大震災を取り上げてきたが、なかでも報告書が特記事項のひとつに挙げた「流言による被害の拡大」という側面は、現代日本にとっても同時代の教訓として永続的に記憶・記録・内容を更新し続けなければならない“トゲ”になり得る……