原発事故で国 免責 ⇒ 災害検証を考える

 東京電力福島第1原発事故の避難者らが国と東電に損害賠償を求めた4件の集団訴訟で、最高裁第2小法廷は去る6月17日、初めて国の責任を認めない判決を言い渡した。「現実の地震・津波は想定よりはるかに大規模で、防潮堤を設置させても事故は防げなかった」と判断したもので、裁判官4人のうち3人の多数意見。1人は国の責任を認める反対意見を述べた……

首都直下地震 想定シナリオに想像力で備える

 東京都は首都直下地震などによる被害想定を10年ぶりに見直し、「首都直下地震等による東京の被害想定」として去る5月25日公表した。東日本大震災を教訓として2012年に策定した「首都直下地震等による東京の被害想定」と、2013年策定の「南海トラフ巨大地震等による東京の被害想定」の見直しで、東京都防災会議(会長・小池百合子知事)の地震部会(部会長:平田 直・東京大学名誉教授)で検討を進めてきた……

日本海溝・千島海溝巨大地震の最悪想定に備える

 中央防災会議は「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデル検討会」を2015年2月に設置、最大クラスの震度分布・津波高等の推計結果を2020年4月に公表した(岩手県の浸水想定については同年9月11日に公表)。この震度分布・津波高などに基づき被害想定と防災対策を検討するために、2020年4月に「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震対策検討ワーキンググループ」が設置され、同ワーキンググループは昨年(2021年)末の12月21日、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定を公表した……

千島海溝は活きている〜道の巨大津波想定

 北海道が「北海道太平洋沿岸の津波浸水想定」を去る7月19日公表した。これを機に本号特別企画はあえてその概要紹介とする。  あえてというのは、本紙は前号のコラムで「アラスカ半島でM8.2の地震 “ビッグ・リマインダー!”…(チリ地震津波、元禄津波の想起)」と題して「遠地津波」(チリ地震津波、元禄津波)への警告を発したように、また本紙企画のやや古い引用だが、2018年1月1日号(No. 177)では「雪氷津波 千島海溝“超巨大地震 切迫”――厳冬期の津波が現実的課題に」を取り上げたように――北海道太平洋沿岸の津波想定を(” 警告の)リマインダー”としたいからだ……

東日本大震災から10年 “あの日”にワープする

 本紙は2010年9月1日(防災の日)に創刊した。月2回発行で、その第14号(2011年3月1日号)の発行準備中の3月11日に東日本大震災が発災した。急遽、全面的な編集企画の変更を迫られて、文字通り不眠不休・必死で3月15日号(8ページ建て)の発行に漕ぎつけ、さらに「号外」として2つの別冊(各4ページ/8ページ建て)を発行した。  その後、しばらくは、当然のことながら、東日本大震災関連特別企画を打つことになったが、それらの編集企画を貫いたコンセプトは、まさに本紙巻頭図版にある国道標識「津波浸水想定、ここまで」の足元に流れ着いた家屋の映像に象徴された……

デジャヴ(既視感)としての福島県沖地震

 東日本大震災10年の周年をひと月先に控える2月13日午後11時過ぎ、福島県沖を震源とする最大震度6強の海溝型地震が起こった。大震災被災地はもとより、北海道から中国地方までも揺らしたこの地震は、日本に住むすべての人びとの脳裏を、あの日の悪夢の“デジャヴ(既視感)”で揺すった。この10年、たびたび起こる東北地方太平洋沖地震の余震のなかでも最大規模の地震は、大震災からの復興途上、“災中”にある被災地を揺るがしたうえに、すべての人びとに、次の大地震――さらなる日本海溝沿いの巨大地震、さらには南海トラフ巨大地震、首都直下地震をはじめ、不意の内陸活断層地震など、低頻度大規模災害の“高頻度”での発生可能性を予感させた……