5月は「水防月間」〜流域治水の「自分ごと化」を~

 国土交通省では毎年5月(北海道は6月)を「水防月間」と定めている。気候変動の影響により頻発・激甚化する自然災害に対し、流域全体を俯瞰し、あらゆる関係者が協働して治水対策に取り組む「流域治水」の実効性を高める重要な取組みの一つとなる。また、出水期=梅雨や台風の時期を迎えるにあたり、国民一人ひとりが水防の意義と重要性について理解を深められるよう、防災・減災の取組みの一環としてこの期間、全国各地域で総合水防演習などの水防訓練や水防団などと河川管理者による共同巡視ほか、様々な取組みが行われる……

子どもの「自助防災」

 5年ほど前、NTT東日本による調査結果(2017年12月)から、公衆電話を使った経験のない小学生が8割を超えることが明らかになり、社会的な話題となった。公衆電話は、停電や災害などの緊急時に重要な通信手段となるが、携帯電話やスマートフォンの普及により、利用機会や設置台数は減少傾向にある。子どもが公衆電話の使い方を知らない――子どもが登下校時、公園に遊びに出かけた先で、あるいは留守番時に大きな災害や危険状況に遭遇したら、親・保護者にどのようにして助けを求めるのか……

《関東大震災100年 特別構成 1》災害周年に甦る災害教訓

 私たちは大災害の教訓を振り返るために「周年」ごとに、その記憶を思い返し、教訓を継承すべく努力を積み重ねてきた。「災害周年」とは、その意味において、決して一過性の暦上の記念日ではなく、自然災害を思い起こし、その教訓を検(あらた)め、新たな防災意識の継承と更新の日として銘記されるべき日、あるいは年となる……

防災100年 えほんプロジェクト 始動

 ひょうご安全の日推進県民会議を事業主体とする「防災100年 えほんプロジェクト」が今秋立ち上がっている。2022年に創設20周年を迎えた阪神・淡路大震災記念「人と防災未来センター」(神戸市)を中心とする「防災絵本100年計画事業」第1期(2022・23年度)の絵本制作等業務の一環で、「災害語り継ぎ」のための防災絵本を創作し、アンデルセンやグリム童話集に匹敵する絵本集として世界に発信するため、各国語に翻訳された数百冊からなる防災絵本集を100年継続させて制作していくことが目標だ……

22 秋の大規模災害への備え – 訓練と啓発と

 2011年3月11日に発生した東日本大震災の大津波災害を教訓として、同年6月に津波対策を総合的に推進することを目的とした「津波対策の推進に関する法律」が制定され、その中で、国民の間に広く津波対策についての理解と関心を深めるために、11月5日を「津波防災の日」とすることが定められた。  11月5日(旧暦)は、安政元年(1854年)に、「稲むらの火」のモデルとなった安政南海地震が発生した日で、さらに、2015年の国連総会では11月5日を「世界津波の日」とすることが採択され、津波防災の新たな取組みが国際的に始まっている……

「人防」開設20年&「ぼうさいこくたい2022」

 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構が管理運営する「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」(英語名:Disaster Reduction and Human Renovation Institution=略称「DRI」。以下、「人防(ひとぼう)」)が、2002年4月に神戸市中央区(HAT神戸地区)に開設されてから今年で20年となる(公式の開設日は4月27日)。「人防」は、阪神・淡路大震災から得た貴重な教訓を世界共有の財産として後世に継承し、国内外の地震災害による被害軽減に貢献すること、および生命の尊さ共生の大切さを世界に発信することを目的に設立された……

「災害を語り継ぐ」 語り部のリアル防災

 先ごろ、宮城県石巻市の東日本大震災遺構「門脇小学校」で、語り部の体験をもとに津波からの避難を自分ごととして考える『ツナミリアル』の体験会が開かれた。『ツナミリアル』とは、一般社団法人石巻震災伝承の会が東北大学災害科学国際研究所・佐藤翔輔准教授(災害情報学)の指導のもとで開発した、語り部の体験を共有する新しい「疑似体験型」防災学習プログラムだという。語り部が語る被災体験とその教訓を踏まえて、聞き手が「語り部の立場になったとき、どんな危険が考えられるか」「自分なら今後どう防災に取り組んでいくか」を考えようというものだ……