デジャヴ(既視感)としての福島県沖地震

 東日本大震災10年の周年をひと月先に控える2月13日午後11時過ぎ、福島県沖を震源とする最大震度6強の海溝型地震が起こった。大震災被災地はもとより、北海道から中国地方までも揺らしたこの地震は、日本に住むすべての人びとの脳裏を、あの日の悪夢の“デジャヴ(既視感)”で揺すった。この10年、たびたび起こる東北地方太平洋沖地震の余震のなかでも最大規模の地震は、大震災からの復興途上、“災中”にある被災地を揺るがしたうえに、すべての人びとに、次の大地震――さらなる日本海溝沿いの巨大地震、さらには南海トラフ巨大地震、首都直下地震をはじめ、不意の内陸活断層地震など、低頻度大規模災害の“高頻度”での発生可能性を予感させた……