地殻変動半島 いまだ“災中” 広域避難困難 原発もうムリ!

 能登地方では、2018年ごろから地震が断続的に続いている。とくに2020年12月ごろから地震活動が活発化(能登群発地震)し、22年6月には震度6弱、23年5月には震度6強の大地震に襲われた。今回の地震は一連の群発地震のなかでも最大規模となる。報道によれば、輪島市では防潮堤や海沿いの岩礁がおよそ4m隆起したことが産業技術総合研究所地質調査総合センターの現地調査で確認された。同センター・宍倉正展グループ長は、「4mもの隆起はめったにないことで、数千年に1回の現象」と指摘……

「世界最大級の変動帯に 地層処分の適地はない」

 原子力発電(以下、「原発」)の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(以下、「核のゴミ」)の処分地選びをめぐり、地球科学の専門家有志300名余が去る10月30日、「日本に適地はない」とする声明を公表した。地殻変動帯に位置する日本の国土では、廃棄物を10万年にわたって地下に閉じ込められる場所を選ぶのは不可能と指摘し、開かれた検討機関を設置したうえでの処分の抜本的な見直しを求めた……

あれから12年 原発とトランスサイエンス

 2011年3月11日14時46分に発生した東北地方太平洋沖地震(M9.0)とそれに伴う津波により、東京電力福島第一原子力発電所で原子力事故が発生した。この地震による災害と原発事故は同年4月1日、閣議で「東日本大震災」と命名される。  東電福島原発事故は、1986年4月のチェルノブイリ原子力発電所事故以来、最も深刻な原子力事故となり、国際原子力事象評価尺度(INES)の7段階レベルで最悪レベルの7(深刻な事故)に引き上げられた。今日までレベル7に分類されている事故は、チェルノブイリ原子力発電所事故と、福島第一原子力発電所事故の2つのみだ……

原発事故で国 免責 ⇒ 災害検証を考える

 東京電力福島第1原発事故の避難者らが国と東電に損害賠償を求めた4件の集団訴訟で、最高裁第2小法廷は去る6月17日、初めて国の責任を認めない判決を言い渡した。「現実の地震・津波は想定よりはるかに大規模で、防潮堤を設置させても事故は防げなかった」と判断したもので、裁判官4人のうち3人の多数意見。1人は国の責任を認める反対意見を述べた……

変動帯+社会風土=原発リスク

 報道によれば、東日本大震災発災、そして東京電力福島第一原子力発電所(通称「F1」)事故勃発から3月11日に10年を迎える直前の3月10日、東京電力は、柏崎刈羽原発(新潟県)で社員が他人のIDカードを使って不正に中央制御室に入った問題の再発防止策をまとめた報告書を原子力規制委員会に提出。社員に対する「警備員の忖度(そんたく)」などがあり、「厳格な警備業務を行い難い風土」が一因になったと分析。対応策として、警備業務に関する管理職を新たに配置するなどの体制強化を掲げたという……