《Bosai Plus》2026年09月15日号(No. 386)

 8月13日から14日にかけて千葉県を中心として線状降水帯が複数回発生して大雨をもたらし、広範囲で「レベル5」の大雨・土砂災害特別警報が発表され、アンダーパスでの車の水没などで死者13人・負傷者60人を出し、住宅浸水被害などが約4900世帯に及ぶ大災害となった。気象庁はこの大雨災害を「令和8年8月千葉豪雨」と命名した……

《Bosai Plus》2026年07月01日号(No. 381)

《Bosai Plus》2026年07月01日号(No. 381)○上写真:津久井湖ゴルフ倶楽部HPより、神奈川県、相模原市などとの「災害時における施設等の使用に関する協定」締結のお知らせより。協定は、災害時に津久井湖ゴルフ倶楽部が県の応援職員や警察、消防、自衛隊等の応援部隊の活動拠点となり、またヘリコプター臨時離着陸場として使用可能とするもの。下写真は、合同会社prove LiFEによる「KITCHENCAR’S JAPAN」登録キッチンカー事業者による避難所や医療施設への炊き出し支援事例より

「防災不可能性都市」 再び

 わが国の近未来予測について、「少子高齢化」「地方都市・中山間地の過疎化」「限界集落」「都市部の空き家増加による“スポンジ化”」「人手不足」などなど、人口動態に関連して新たに浮上する課題・新語は年を追うごとに重みを増している。そうした社会状況の変化のなかで、当然、政府の危機感は深刻度を増しているようだ……

豊後水道の地震と南海トラフは通底するか?

 2024年4月17日23時14分頃に発生した「豊後水道の地震」は、マグニチュード(M)6.6とされている。南海トラフ地震の想定震源域内で発生した地震ではあったが、南海トラフ地震との関係を調査するマグニチュードの基準(M6.8)未満の地震で、気象庁は、「地震活動等については注意深く監視している」とした。幸い津波は発生せず、揺れによる人的被害、建物被害も少なかった。しかし、住民、防災関係者はだれしも南海トラフ巨大地震の発生を想起し、緊張しただろう。そして政府も、地震直後に危機管理センターに官邸対策室を設置するなど緊急対応に走った……

いま そこにある「巨大災害の危機」

 土木学会の土木計画学研究委員会は2022年度から「国土強靱化定量的脆弱性評価委員会」を設置し、首都直下地震や三大港湾の巨大高潮、全国の河川における巨大洪水が生じた場合にどれだけの経済被害を受けるのかを推計(「脆弱性評価」)、同時に、防災インフラ投資がどれほどの減災効果を持つのかを、最新データと技術を用いて「定量的」に評価・推計する研究を進めている……

巨大災害を「迎え撃つ」気概を

 本紙は2月1日付けで齋藤徳美・岩手大学名誉教授の特別寄稿「能登半島地震に思う」を掲載、サブタイトルを「災害を『迎え撃つ』体制を」とした。「災害を『迎え撃つ』体制を」は同本文からの引用で本紙の恣意的な編集によるサブタイトルだった。やや長文になるがここでそのモチーフとなった部分を引用すると、次のようだ――

能登半島地震に見るあるべき「防災・支援」

 遡って2012年7月31日、中央防災会議専門調査会「防災対策推進検討会議」は「最終報告~ゆるぎない日本の再構築を目指して~」を決定・公表した。「最終報告」は、「東日本大震災を踏まえ、私たちが学び、将来に向かって約束として果たすべきことをまとめ、今後のわが国の防災対策の方向性を示した」とした。東日本大震災発災から1年4カ月ほどを経てまとめられたものだった……

地殻変動半島 いまだ“災中” 広域避難困難 原発もうムリ!

 能登地方では、2018年ごろから地震が断続的に続いている。とくに2020年12月ごろから地震活動が活発化(能登群発地震)し、22年6月には震度6弱、23年5月には震度6強の大地震に襲われた。今回の地震は一連の群発地震のなかでも最大規模となる。報道によれば、輪島市では防潮堤や海沿いの岩礁がおよそ4m隆起したことが産業技術総合研究所地質調査総合センターの現地調査で確認された。同センター・宍倉正展グループ長は、「4mもの隆起はめったにないことで、数千年に1回の現象」と指摘……

COP28に「健康の日」 気候変動に健康リスク

 COP28で本紙がとくに注目したのは、12月3日に「健康の日(Health Day)」がCOP28に初めて設定されたことだ。気候変動の健康影響について光を当て、各国の環境大臣と保健大臣による議論が行われた。「気候変動と健康リスク」とはなにか――近年“エマージング・リスク(” Emerging Risk)として危機管理分野のキーワードになった新たな危機要因とはなにか、以下、見てみよう……

災害食の事典+災害食ISO=防災イノベーション

 一般社団法人日本災害食学会が監修する『災害食の事典』が、去る9月1日(防災の日)に朝倉書店から刊行された。災害に備えた食品の備蓄や利用、栄養等に関する知見を幅広い観点から解説したもので、供給・支援体制の整備、事例に基づく効果的な品目選定、高齢者など要配慮者への対応など、国・自治体・個人の各主体が平時に確認しておきたいテーマを網羅している……

謎の津波、地震・大雨に発生傾向はあるか…

 気象災害リスク(大雨、台風、洪水、土砂災害、竜巻、落雷、大雪など)は気象予報技術の進展である程度の発生予測ができるようになった……火山噴火は火山性地震やマグマ溜まりの観測から発生可能性の指摘も……このように主な自然災害リスクは防災科学技術の進歩で少なくともリスクの指摘はできるようになってきた……しかし、地震だけはいつ起こるかわからない。ちょっと待った、地震由来の津波も予測できない……?

「地産地防」プロジェクト

 最近、「地産地防」(ちさん ちぼう)という言葉を聞くようになった。「地産地防」は、「地産地消=地元で生産されたものを地元で消費する」をもじった造語で、「地域の産業・技術で地域の防災を強化する」という意味とされる。この新たな概念は、地域経済を持続可能かつ強化するための取組みと、地域防災力の強化を連係させようという試みを指す。災害に強いまちづくりのために、地域の人びとが自らの力で先端技術を活用して、災害に対する自衛防災力の増強を図ろうというもので……

浸水想定地域の浸水被害 「想定内被災」は想定外か

 台風13号とその余波の熱帯低気圧による大雨で、茨城県日立市では日立市役所で浸水被害が発生した。記録的な大雨の影響で、市役所の近くを流れる二つの川(数沢川と平沢川)が氾濫したためだ。気象庁によると、日立市の9日午前7時50分までの24時間降水量は282.5mmで、観測史上最大を記録した。市によると、8日夕方ごろから猛烈な雨に見舞われたという。市庁舎の1階と地下に水が入り込み、電源機器が水没して停電した……

創刊13周年 特別構成《関東大震災100年》

 本紙は2010年9月1日の創刊にあたり、「防災士」を読者として想定した。防災士は“自助・協働”の理念のもと、被災者(地)支援活動が重要なテーマでもある。関東大震災100年、本紙創刊13年、そして防災士誕生から20年を迎えるいま、関東大震災における被災者支援の状況は、防災士にとっても大きな関心事となる。  そこで本号では、WEB防災情報新聞掲載の山田征男氏(防災情報新聞 特別編集委員)執筆・とりまとめによる「周年災害」より、「関東大震災100年 特集/『周年災害』がひも解く大震災と防災」から、災害ボランティア組織『学生救護団』結成の経緯・背景を引用・転載してみる……

関東大震災100年 ”バックドア”の学び

 日本赤十字社東京都支部から、『関東大震災 100年前の100人の新証言』というニュースリリースが届いた――それは、日本赤十字社東京都支部が、関東大震災から100年を迎えるにあたり、薄れゆく当時の教訓を改めて現代と未来へと繋ぐことを目的に、生成AIを活用し、新たな形で〈人々と“新”証言〉として現代に蘇らせるプロジェクト『関東大震災 100年前の100人の新証言』を企画したというものだ。『100年前の100人の新証言』プロジェクトでは、「20人の人物像」と「100の“新”証言」という2種類の生成が行われている……

スーパーエルニーニョ現象で自然災害多発?…

 気象庁は去る7月10日、エルニーニョ監視速報(No.370/2023年6月の実況と2023年7月〜2024年1月の見通し)を発表、「春からエルニーニョ現象が続いているとみられ、今後、秋にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高い(90%)」とした。報道ではさらに規模の大きな「スーパーエルニーニョ」になる恐れもあるとされている。世界的に異常気象をもたらすとされる「エルニーニョ現象」とはなにか……

わがまちの災害リスク~空き家、老朽化マンション

 全国で空き家が増えている。総務省の住宅・土地統計調査(5年ごと/2018年調査)によれば、空き家の総数はこの20年で約1.5倍(576万戸→849万戸)に増加している。いっぽう国土交通省の調査では、賃貸用や売却用などを除いて、人が長い間住んでいない住宅は349万戸。少子高齢化、人口減の時代を迎え、空き家は今後はさらに増えると見込まれている。このまま相続放棄などで空き家が放置され続けると、防犯(放火なども含めて)上も問題が大きく、周辺環境の悪化や自然倒壊などにもつながる。ひいては大地震などでの倒壊・火災延焼の要因ともなるから、防災まちづくりにおいてももはや放置できない状況となっている……

日本・千島海溝 具体的な応急対策活動計画 

 中央防災会議・幹事会が去る5月23日、北海道から東北地方の太平洋沖にある日本海溝・千島海溝の巨大地震に備え、応急対策に関する具体的な計画を決定した。警察、消防、自衛隊から最大で計15万人規模の広域応援部隊を派遣し、想定される被害規模に応じて北海道に7割、青森、岩手、宮城の東北3県に3割を送る計画だ……

揺れる地殻変動帯―日本列島 再び

 石川県能登地方で5月5日14時42分ごろ、M6.5の地震が発生。震源の深さは12kmで、石川県珠洲市(すずし)で震度6強を観測したほか東北地方から中国・四国地方にかけて震度5強~1を観測。この地震で屋根を修理していた男性1人が転落して死亡した。石川県内で住宅や神社の鳥居が倒壊するなどの被害が出た。同日5日21時58分ごろに再び同地方でM5.9の地震があり、珠洲市で最大震度5強を観測した……