BOSAI+ TWEETS & TIPS

■Tweets & Tips

 このページでは、防災ニュースレター《Bosai Plus》が発行・配信された時点で購読者に向けたダウンロード・サイトのご案内メール内に記載された本紙・編集発行人(M. T.)による「時事雑感:Tweets & Tips」を収録しています。
 ”Tweets”は、英語ではツイッターなどの「つぶやき」、”Tips”は「気の利いたアイデア」といった意味です。気が利いているかどうかはともかく、この雑感から、発行時点での防災動向がうかがえるかと思います。

 以下、掲載順は、直近号から既刊号へ遡っています(各号の P. 1 画像へのリンク付き)



防災士による危険箇所投稿のイメージ(ヤフー広報資料より)

■《Bosai Plus》第266号・2021年09月15日号発行!(同P. 1「もくじ付き」へリンク

●防災士30万の高みを展望――「応援協定」も多様化時代

 本号では「災害時応援(協力)協定」を取り上げましたが、自治体中心の応援協定の説明は概要にとどめ、具体例としては自主防災の代表選手としての「防災士(会)」を例に、自治体や大手メディアとの「災害時応援(協力)協定」の概況をリポートしました。

 ”災害時応援”の協定が本来の趣旨ではありますが、大規模な自然災害はめったには起こりませんから、自主防災のケースでは、地域単位での平時の活動が応援・協力の基本になると思います。
 つまり、自治体と連携した平時の日常活動こそが大切=”平時応援(協力)協定”が基本、災害時はそれが活かされるということになります。

 自主防災組織の平時の活動は、倦(う)まず・疲れず、継続にこそ価値があると思います。自治会・町内会などとの交流や小中学校の防災訓練への協力・指導、防犯、福祉、子ども・お年寄りの見守りなど、”防災のお隣”のまちづくりグループとの「応援協定」も大切になることでしょう。

 本号で取り上げた防災士(会)とNHKやヤフーとの協力関係は、防災士の信認性をさらに高めることに役立つはずですが、それはあくまで付随的なもの――防災士30万を展望するこのパワー、これから具体的にどう活かし育てるか。本紙も含めて、防災士のみなさん一人ひとりの課題になりそうです。

●防災士としては”聴き捨てならぬ”災害リスク下の介護施設

 厚生労働省による介護施設での「防災リーダー」養成事業支援という方針は、まさに防災士の活用にぴったりではないでしょうか。
 山形県や宮城県での実績を参考に、各地の日本防災士会支部で同事業と連携ができそうです。

 最近、「東京23区内にある特別養護老人ホームの約4割が、国や都の想定で洪水時に最大3m以上の浸水が見込まれる場所に立地」、また全国的にも、「津波・洪水の浸水想定区域や土砂災害警戒区域に特別養護老人ホームなどの介護施設が立地している自治体は、約1000市区町村にのぼる」との報道がありました。
 防災士としては聞き逃せない実態ではないでしょうか。

●ますます意気軒昂、伊藤和明さんの新刊

 おなじみ伊藤和明氏による最新書下ろし『平成の地震・火山災害』(近代消防新書、定価・税共900円)がこのほど刊行されました。平成約30年間にこれだけの災害事象が起こっていた……令和も警戒怠ることなかれ……防災情報に携わる本紙にとって大先輩の警告、肝に銘じています。
近代消防新書:伊藤和明・著『平成の地震・火山災害』
https://www.ff-inc.co.jp/syuppan/sinkan.html

●忙中閑話 2題

朝日新聞:台風の目に航空機から水や氷 弱体化させ災害ゼロに、発電構想も
https://digital.asahi.com/articles/ASP9B546PP8HPLBJ001.html
2021年9月12日
 地球温暖化でますます凶暴になっている台風をコントロールし、勢力を弱くしたり、被害をゼロにしたりできないか。2050年の実現を目標に、そんな壮大な挑戦が始まっている。台風が持つエネルギーは、全世界の消費電力の1カ月分とも言われ、発電に生かそうという構想もある……

わんわん救命士(YouTube)
https://www.instagram.com/p/CTMZ0Erl9nw/?utm_medium=copy_link

   (M. T. 記)


GNS[2017年版]

■《Bosai Plus》第265号・2021年09月01日号発行!(同P. 1(「もくじ付きへリンク」

●創刊11周年 「十年一日、日々是防災」

 本紙は2010年9月1日に創刊しました。
 創刊号から1年間は「Vol. 1」となり、2021年9月1日発行号で11周年=「Vol. 12」=本号から12年目に入ります。

 顧みれば「十年一日」……10年余が1日のようの短く感じられるという意味かと思っていましたが、辞書によれば「十年一日のごとく平凡な生活が続くこと」、「成長や進歩がないこと」とも。
 でもいっぽう「10年間同じことを繰り返す」という意味から、「ひとつのことを辛抱強く努力し続ける」、「忍耐強く守り続ける」ことを言うともあります。

 本紙はまさに「十年一日」、「持続は力」という定期刊行物の鉄則を死守してきました。同時に「日々是好日」ならぬ「日々是防災」で、愚直に「ゴールは遠いが、しっかり見える。」のキャッチフレーズを貫いてきました。
 それもこれも、読者のみなさまのご支援・叱咤激励があってのことで、創刊11周年を期して、改めて深謝申し上げます。

 ところで「日々是好日」の読みは、正しくは「にちにちこれこうにち」だそうで……私はこれまで「ひびこれこうじつ」だと思い込んできました。
 専門の校正係がいない本紙ですので、校正ミスにはいろいろ突っ込みどころもおありかと思います。ご指摘は大歓迎で、とくに防災の考え方について異論をお持ちの方からのご指摘は、真摯に対応させていただきます。

●「災害リスク指標」のソースデータに「自助・共助の浸透度合い」を

 本号では「都市の災害リスク評価」を取り上げました。とくに地盤工学会の研究者グループによる安全指標「GNS」の開発は大きな可能性を秘めていると思い、巻頭で取り上げました。
 こうした指標のソフト面のソースデータとして、「地域防災力」をうまく指標化できないものでしょうか。住民による自主防災組織のカバー率のほか、防災訓練参加率、さらに自助・共助の浸透度合い、防災教育の普及度合い、防災士資格取得率などを検討していただければと思います。

 いっぽう、東北大学災害科学国際研究所所長・教授の今村文彦先生が提唱する「防災 ISO(国際標準化)規格」の動向にも注目しています。
 防災メディアとして、こうした研究・開発を粛々と進める研究者の方がたとも、「日々是防災」感を共有させていただければと願っています。

●忙中閑話

 「防災の日」に下記、2題。

毎日新聞:都知事の追悼文見送りに抗議 関東大震災朝鮮人追悼式典の実行委
(2021.08.23.)
 関東大震災時に虐殺された朝鮮人の追悼式典の実行委員会は23日、小池百合子知事が2017年以降、式典に追悼文を送っていないとして抗議声明を発表……

JX通信社:「想定外の超弩級プリニー式噴火」福徳岡ノ場衛星写真連続撮影結果を火山学者(小山真人・静岡大学教授​​)が解説
(2021.08.26.)
 株式会社JX通信社は、宇宙ベンチャーの株式会社アクセルスペースとの協同で、今月13日に噴火が確認された小笠原諸島付近の海底火山「福徳岡ノ場」の……

 今後とも本紙をご愛読・ご支援のほどをよろしくお願い申し上げます。

   (M. T. 記)


千島海溝モデル想定地震津波より「震源域の地盤変動量分布」(北海道資料より)

■《Bosai Plus》第264号・2021年08月15日号発行!(同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

【 Tweets & Tips 】

●改めて、いつ起こっても不思議はない不条理・巨大災害

 前号(8月1日発行号)で、日本時間7月29日にアリューシャン列島(米国、アラスカ半島)で起こったM8.2と推定される巨大地震を契機に「遠地津波」を想起し、1960年チリ地震津波、1700年“みなしご”元禄津波(カナダ・カスケード地震津波)に触れました。
 本号ではその余韻もあって、北海道の千島海溝に起因する巨大津波想定の話題を特別企画で取り上げることにしました。

 たまたまですが、昨日(8月14日、日本時間)20時58分頃、アリューシャン列島で再び、M7.0と推定される大きな地震が起こりました。7月29日の巨大地震活動の一部と見られているようです。幸い、津波発生はなかったようです。
 また、日本時間同日の21時29分頃、カリブ海の島国ハイチでM7.2の大地震が発生し、海外報道によれば被害も発生しているようです。

 ちなみに気象庁は21時24分に海外で起こったこの2つの大地震について「遠地地震に関する情報」を発表しています。

 気象庁ホーム>防災情報>地震・津波>地震情報(遠地地震情報も含む)(「震源・震度情報」の地図を世界地図に拡大)

 このところ三陸沖や福島県、茨城県、千葉県沿岸、またこれまで地震が比較的に少ないとされる中国・四国地方でも、中規模の地震が多く起こっているような気がします。”ビッグワン”(巨大地震)の前触れではないことを祈りますが、想像力は活かしておかなければ……

●テレビドラマ「日本沈没」が10月スタート

 「吉備高原」の本文で触れましたが、小松左京原作の「日本沈没」がTBSテレビドラマとなって10月から始まります。「日本沈没」は海外ではよく見られるドキュドラマ(ドキュメンタリ・タッチのドラマ)の素材としてもおもしろく、危機管理と同時に、最新の科学的な知見が織り込まれれば、さらに楽しめるので、ちょっと期待しています。

●改めて、「地球温暖化」を「地球炎熱化」or「地球ヒートドーム化」に

 IPCCの評価報告書第1弾が公表されました。いずれこの報告書については特別企画で取り上げますが、本号では紙面の都合で簡単に触れました。
 前号のこの欄で「地球温暖化」は気候変動の用語としては生やさしい、ゆるい、「地球炎熱化」あるいは「地球ヒートドーム化」といったインパクトのある用語に変えたほうがいいと書いたら、読者から「賛成!」のお声をいただきました。

 防災メディアとしてこの提言をしつこく続けることで社会が動けば……と思っています。ちなみに地球温暖化は英語でも「Global Warming」です(日本語はその翻訳?)。世界も動かさないといけませんね……

   (M. T. 記)


「火災積乱雲」が形成される仕組み(カナダ・ヴィクトリア州気象局資料より)

■《Bosai Plus》第263号・2021年08月01日号発行!(同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

●「地球温暖化」を言い換え「地球炎熱化」or「地球ヒートドーム化」に

 猛暑の頻度や深刻さは、気候変動によって増していると言われます。気候モデルによっては、来世紀には地球上の広範囲が人間の居住に適さなくなると予想されているそうです。

 日本社会は「SDGs」(エス・ディ・ジーズ=持続可能な開発目標)をファッショナブルな流行語として、たちまち”消費サイクル”に組み込んでしまった観があります。しかし、気候変動も地球温暖化も持続可能な開発も、事態はもっともっとさらに深刻化してはいないか。

 温暖化やSDGsについては真摯な(科学的な)懐疑論も聞かれます。
 いっぽう、防災は本質的には最悪想定に立って災害対策を考えますが、地球環境について、政治家や社会的な影響力のある財界・各界の有識者、社会運動家などは、正常化の偏見に陥ってはいないか。私たち(彼ら)の子ども、孫、さらにはその子どもたちが生きる世界への想像力に欠けてはいないでしょうか。

 本号の話題「気候変動」はそもそも北海道で続く猛暑日から発想されました。(世界を)見回してみると、7月はヨーロッパの洪水、中国での1時間雨量200ミリ(と伝えられる)大雨洪水、北米の異常高温、そして森林火災のニュースであふれていた……
 これはまさに気候変動の”顕在化”ではないか、というのがきっかけです。

 本紙はもともと「地球温暖化」は気候変動の用語としては生やさしい、ゆるい、と思っていました。「地球炎熱化」あるいは本文で触れた「地球ヒートドーム化」といったインパクトのある用語に変えたほうがいいと思っています。

●「心配はない」――安心情報(の発信)は、要注意

 7月27日夕に菅首相がぶら下がり会見でコロナ感染拡大による五輪への影響について「人流は減少している。心配はない」と断言するのをテレビ報道で見ました。
 (政治的立場は別にして)思わず筆者は「言いましたよね!、言いました!」とテレビに向かって念押ししました。
 その翌日から東京での感染者数はうなぎ登りに記録更新中です(五輪競技の記録更新と張り合うがごとく)。

 防災・危機管理関係者ならば、「安心情報の発信は要注意」であることを知っているはずですが……そして3日後、何度目かの6都府県への緊急事態宣言に追い込まれることになりました。
 その記者会見では「(宣言が)最後となる覚悟で」とのこと。その何度目かの「覚悟」がいずれまた、問われることになるのでしょう。
 (あくまで危機管理の視点からの小紙の雑感です)

   (M. T. 記)


7月3日午前、静岡県熱海市の伊豆山(いずさん)地区で大規模な土砂崩れが発生し、約130軒の住宅や車が土砂に流され、土石流は相模湾にまで達した。7月14日現在、11人の死亡が確認され、17人の安否が分かっていない。上画像は、国土地理院地図より、熱海市伊豆山地区における「梅雨前線に伴う大雨による崩壊地等分布図(第3報)」(集水域あり)より。国土地理院が2021年7月6日に撮影した空中写真から、地山・土砂が見えている部分を判読したもの(崩壊地の位置を把握するための資料で、人家等に被害のない箇所もプロットしたもの)

■《Bosai Plus》第262号・2021年07月15日号発行!
同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

●自然災害の不条理と人災

 熱海市は、市域内はほとんどが丘陵で、相模灘に面して眺望がいいことと温泉も豊富なことから、別荘地・首都圏の奥座敷として発展しました。一般住宅も高台に密集して建ちますが、勾配の急な坂が多く、海岸線も後背地はすぐに丘となる所がほとんどです。

 そうした地理的・文化的な条件が、結果的には(必然的に?)大規模な土砂災害を引き起こす要因になりました。その熱海市の伊豆山地区で土石流が発生、大勢の命が犠牲となり、多くの住宅・家財が被災してしまいました。
 被災されたみなさまには心からお悔やみ、お見舞いを申し上げます。

 ただ、いっぽうで、土石流が流下したルートは静岡市のハザードマップ上の「土石流危険渓流」エリアとほぼ重なる場所だったという厳然たる事実があります。自然災害は、人間の営みが自然のハザード(力)の影響を受けるときに起こります。いつ打つかわからない自然の寝返りの”際(きわ)”に人間の営みがあるとき、その寝返りにつぶされたとして、それは災害、あるいは不条理とは言えないのではないでしょうか。

 まさにこの場所は”土石流が流下する危険渓流”の際(きわ)だった。その直接の原因が大量の雨を含んで崩れた規制違反の盛り土だったとしても、「危険渓流沿いにつくられたまち」の被災であること、つまり住民のみなさんには酷な言い方ですが、この災害像には”人災”の様相が濃いことを直視すべきかと思います。

●「熱中症警戒アラート」に「緊急安全確保」の備えを

 ここ2週間ほど、米国西部が熱波に見舞われています。日本の大雨もそうですが、気候変動により今後、大雨・猛暑の頻度や深刻さはさらに増すことが予想されるそうです。
 MITテクノロジーという米国科学誌が「人間の耐えられる暑さの限度とは?」という記事を配信しています。
 MIT TECH:猛暑襲来、人間の耐えられる暑さの限度とは?

 「恒温動物の哺乳類である人間の体温は、常に37度前後。人体は、だいたいこの体温で適切に機能するようになっており、熱損失と熱利得の間に一定のバランスが保たれている」、「人体が熱を迅速に発散できなくなると支障が出始める。中核温(体の内部の安定した体温)が上昇しすぎると、臓器から酵素にいたるすべてのものが機能しなくなることがある。猛暑は腎臓や心臓だけでなく、脳にも深刻な影響を与えることがある」……

 気象庁と環境省は「熱中症警戒アラート」の運用を本年4月末から全国で開始しています。「熱中症警戒アラート」は「暑さ指数33以上」(気温とは異なる)と予測した場合に発表されます。
 熱中症の危険性が極めて高い暑熱環境が予測される場合に暑さへの「気づき」を呼びかけ、国民の熱中症予防行動を効果的に促すものです。

 いよいよ各地、梅雨明けとともに熱い夏を迎えます。「猛暑は腎臓や心臓だけでなく脳にも深刻な影響を与えることがある」――気づかないうちに熱中症に!?
 ――とくにコロナ禍のなか、お互い要注意です!

   (M. T. 記)


東京下町の低地の地下の埋没谷形状(産総研資料より)。産業技術総合研究所(産総研)研究グループが、東京都心部の地下地質構造を3次元で立体的に見せる次世代地質図「3次元地質地盤図~東京23区版~」を公表した。3次元地質地盤図は、だれでも閲覧でき、東京23区の地震ハザードマップや都市インフラ整備などで活用されることが期待される。いっぽう、衛星や地図情報を組み合わせた新しい防災情報サービスを、地図情報のゼンリンや衛星放送スカパーJSAT、建設コンサルタント・日本工営が始めた。防災・減災テクノロジーの新ステージだ

■《Bosai Plus》第261号・2021年07月01日号発行!
同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

●防災テクノロジーの新ステージ

 いろいろ課題はありそうですが、国の「DX」化推進・デジタル庁発足に合わせ、多方面の分野でデジタル化が一気に進みそうです。
 本紙前号で予告したとおり、本号から国の新防災強靭化に向けた「1WG+4チーム」の提言概要をシリーズで紹介していきますが、その第1弾は「デジタル防災(未来構想/社会実装)」としました。

 そして巻頭特別企画は、いわばデジタル防災テクノロジー新時代を迎える兆しとしての「地質・地盤」”深掘り”の話題と、衛星を活用した防災・被害想定の試みを取り上げました。
 「東京都心部(23区)3次元地質地盤図」によると、23区東端の江戸川区小岩エリアは一般的には地盤が軟弱と思われていますが、意外に埋没谷の上にはなく、地質地盤は決して悪くないのだそうです。

 地震動は地盤の影響を受けるので、建物敷地周辺の地盤構造を知ることが重要です。「3次元地質地盤図」ではボーリングデータの深さは深いところで100mのようですが、超高層ビルが林立する埋立地エリアの長周期地震動などの発生・影響はどうなんでしょう。専門家の知見が待たれます。

●お待たせしました、「防災用語ウェブサイト」(水害・土砂災害)がオープン

 本紙6月1日号(No. 259)の巻頭企画で取り上げた「防災用語ウェブサイト」は、運営する国土交通省情報によれば”出水期までに公開”とのことでしたので、本紙では同情報の近刊号での掲載予告をしていましたが、本号発行直前の6月30日に公表・公開されました。
 次号でその詳細を詳細紹介予定ですので、ご了承ください。
 なお、同サイトのアドレスは下記となります――

防災用語ウェブサイト(水害・土砂災害)
https://www.river.go.jp/kawabou/glossary/pc/top

●新耐震基準施行から40年 新・新耐震基準は?

 新耐震基準は1981年6月1日に導入されていて、わが国の地震防災はこの新耐震基準に沿う建物とすること、旧耐震基準建物をなくすことに精力を注いできました。しかし、初期の耐震基準で建てられた建物も40年を経て老朽化してきたのではないでしょうか。
 国のデータによれば、”耐震化”(新耐震基準化)した建物は8割、9割となっていますが、40年を経て、耐震基準設計の更新も必要ではないでしょうか。

 防災関係者やメディアから、新耐震基準施行から40年という”問題意識”があまり聞かれませんが、耐震基準が「最低基準」であっていいのかという問題も含めて、事前防災の”理念”を踏まえた再設計が必要ではないでしょうか。

●忙中閑話

 巻頭企画で取り上げた衛星防災情報の日本工営が会員になっている建設コンサルタンツ協会が「土木×落語」を創作したという話題。一般のみなさんに「土木」に関心を持っていただき、知っていただくための企画だそうです。
 下記サイトで「土木×落語」をお楽しみいただけます。
https://www.n-koei.co.jp/news/document.html?year=2021&id=20210424-abf92e07

   (M. T. 記)


「防災強靭化 新時代」への提言公表

■《Bosai Plus》第260号・2021年06月15日号発行!
同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

●国土強靭化 新時代へ 道はなかなか険しい

 本号特別企画は、これまで中間報告として報じてきた5つの有識者検討会(1WG+4チーム)報告書の一括公開(全5件)の話題。いずれも本紙にとっては重要なテーマで、本紙の限られた紙面スペースではすべての内容紹介ができないので、今後、数回に分けて取り上げさせていただきます。

 この検討会座長が連名で公開した「前書き」の冒頭部分は、この種の報告書としてはなかなか”文学的な印象”で、みなさまにもぜひご一読をお薦めしておきます。
 なお、この「前書き」には、防災・減災に向けた長い・大きな取組みのなかでは、今回の報告書自体も中間報告のようなもの、とあります。
 大規模災害への切迫感・危機感と同時に、焦燥感も感じとれる「前書き」です。

●内閣府「防災女子の会」の提言 男子はしっかり受け止めたい

 「国土強靭化 新時代」構想とは直接関係しませんが、「防災女子の会」も時期を同じくして発足し、ほぼ同時に防災担当大臣に手交された提言にも本紙は注目しました。
 というのも女子の会提言の冒頭部分の”書きぶり”が、前述の検討会座長連名「前書き」と呼応するからです。しかも、座長連名が「……だからこそ国民の総力を挙げて立ち向かいたい……」としたのを受けて、女子の会は”甘い!”と叱咤するように、「現実は理想とは程遠いのではないだろうか」と厳しい見方を示しています。

 わが国の男女格差の根は深そうで、防災女子の闘いは始まったばかり。グラスシーリングならぬ強靭なコンクリートの壁が立ちはだかっていそう。
 本紙はその闘いを応援します。

●国が高齢者向けスマホ講習会? 希望者へのスマホ無料支給が先では?

 本号「BOSAI TIDBITS」でスマホの防災活用の話題を取り上げました。スマホは防災情報伝達の重要なツールとして欠かせないものになりました。

 ワクチン予約での混乱(それ以前に、わが国のデジタル化の周回遅れ)もあって、国はばたばたと「DX化」(デジタルトランスフォーメーション)を急いでいます。いまさらの観がありますが、総務省は高齢者向けにスマホ講習会を全国展開するそうです。
 しかし、そのターゲットの高齢者の身になってみると、講習会よりもスマホ本体の無料支給と通信料の補助が先じゃないかと……そもそも高齢者はスマホを持っていませんから。

   (M. T. 記)


防災用語ウェブサイトの「洪水」の例

■《Bosai Plus》第259号・2021年06月01日号発行!
同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

●『防災用語ウェブサイト』の公開は現時点で未定

 本号の特別企画『防災用語ウェブサイト』は、本紙の”見込み”で巻頭企画に持ってきたものです。検討会の提言は「6月からの出水期に併せて」インタネット上に開設」とのことでした。
 国土交通省担当部署に開設時期を問い合わせたところ、まだ制作中で開設日などは未定とのこと。開設され次第、本紙でもご案内させていただくこととします。

 ちなみに、国土交通省検討会は防災情報(用語)の認識・理解について国・自治体と報道機関の間での共有が重要で、それをもとに住民に伝えていく、とありますが、当然、その情報伝達の仲介者として防災士など地域防災活動家がいます。
 そういう地域防災活動家、自主防災にとっても、防災用語の認識・理解・共有は重要との考えから本紙はこれを巻頭に取り上げました。

●次号予告に代えて……

 本紙特別企画テーマ確定直後の5月25日に、国は「防災・減災、国土強靱化新時代の実現のための提言」を公表しました。これは本紙が最近号で取り上げてきた「自然災害に備える3WG(ワーキンググループ)」の総まとめです。

 本来であればこのテーマで本号の特別企画を構成するところですが、今回ややタイミングがずれましたので、次号で取り上げる(予定)とさせていただきます。
 その”予告編”として、同提言のなかの「防災・減災、国土強靱化 WG・チーム提言 前書き」にある下記の文章をご紹介します。

 直接死も関連死もなくしたい。
 この思いで提言する。
 本当につらいことは津波のように一瞬で我々を飲み込みほとんど何もさせてくれない。
 言うまでもなく巨大自然災害への対応は人間にとって極限状況になる。
 だからこそ国民の総力を挙げて立ち向かいたいと思う……

●新型コロナウイルスは地球を周遊し周回を繰り返す?

 コロナ禍がなかなか収束に向かいません。個人的には、イメージとして、コロナウイルスは津波のように自律的に地球を周遊し周回を繰り返すのではないのかと。

 ひるがえって、宮城県がまん延防止規制解除になった理由・背景の検証が行われているのでしょうか。ある規模の都市での”成功例”を徹底的に検証せずに(少なくとも成功例として政府・専門家・マスメディアが取り上げることなく)、都市部の感染対策が漫然と延長されることに疑問を感じています。

●忙中閑話

 民間放送各社の労働組合でつくる民放労連女性協議会が全国の民放テレビ局127社の女性割合を調査した結果――女性役員がいない民放テレビ局は91社(全体の71.7%)、役員の女性割合は全体で2.2%!

 大阪市議会で本会議中の大地震を想定した防災訓練で、議員がタブレット端末で天井からの落下物から頭を守りながらの避難! たしか国会は最近、ヘルメットを用意しているはず……

 ちなみに本紙はこれまでくどいほど、地震発生時に放送されるNHK各地方局オフィス・スタッフの対応行動について、「まずはヘルメット着用」を訴えています(ロールモデルとしても!)

 朝日新聞「朝日川柳」より――
 トーチ泣く この火なんの火不思議な火(大阪府 和泉悦代)

   (M. T. 記)


■《Bosai Plus》第258号・2021年05月15日号発行!
同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

●「防災3WG」への期待(邪期待?)

 本号特別企画は、昨年末に小此木内閣府特命担当大臣が記者会見で発表した3つのワーキンググループ(以下「WG」)の、これまで5カ月間の進捗状況(概要)を紹介しました。

 概要とまでも言えないおおざっぱな内容ですが、ここはあえてこういうWGがいま作業中という情報提供にとどめています。それぞれのWGのホームページにリンクを貼りましたので、恐縮ですが、さらに詳しくはそちらをご覧ください。
 各WGとも、6月をめどにとりまとめを行う予定のようですので、その段階で(7月ごろ)本紙も改めて取り上げたいと思います。

 本文で触れましたが、「防災DX(デジタル化)」も「事前防災・複合災害」も「防災教育・啓発」も、私たち防災にかかわる者にはとても関心の深いテーマであるだけに、期待は大きいものがあります。
 とくに近年は、デジタル化、ジェンダーに加えて、感染症がらみでの危機管理・差別・風評被害などの問題が浮上していますが、これらはそのまま防災の課題でもあり、とても”ひとごと”ではありません。

 「デジタル防災技術(社会実装)WG」の資料に「ベース・レジストリ」という用語が出てきます。これは”社会のあらゆる基本データ”と理解すればいいようですが、これを「いつでも防災にも使えるように整備」することをめざすようです。

 以前、国は「災害情報の標準化」を合言葉にしていましたが、それが一挙に災害(防災)の垣根をとり払って、”情報全方面化”による防災体系の構築をめざすということでしょうか。
 こうした課題を考えるとき、現状の縦割り行政は論外、逆に”ベース防災”として、司令塔としての「防災省(庁)」の創設が、論理的必然として浮上すると思うのですが。

●「君は君、僕は僕、されど仲良き」

 報道によると、立憲民主党の安住淳国会対策委員長と共産党の穀田恵二国対委員長が会談して選挙協力も含めて今後も連携を深めていくことを確認。その際、安住氏が「それぞれの違いは理解しながら、武者小路実篤じゃないけど、『君は君、僕は僕、されど仲良き』」と述べたそう。
 政治的な話・立場は別として、「君は君、僕は僕、されど仲良き」――”多様性容認”を表すのにいい言葉じゃないですか?

   (M. T. 記)


■《Bosai Plus》第257号・2021年05月01日号発行!
同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

●ある連想――「線状降水帯」⇒「常在戦場」⇒「常在防災」

 気象庁によれば、「線状降水帯」は「非常に激しい雨が同じ場所で降り続いている状況を表す」用語として社会に浸透しつつあるということで、今回の新たな防災気象情報となる「顕著な大雨に関する情報」のキーワードとなっています。

 「線状降水帯」は、(ムリクリですが)よく政治家や社長さんが言う「常在戦場」と語呂が似ています。「常在戦場」は「いつも戦場にいる気持ちで事に当たる」という意味で、多くの四字熟語が中国の古典由来であるのに対して、「常在戦場」は日本発祥の四字熟語で、長岡藩牧野氏の家風として伝えられてきた成句だそうです。

 「線状降水帯」は気象庁の予報用語ですが、近年、「線状降水帯」由来の大雨災害が頻発してメディアがそのメカニズムを解説しながらもそのまま使ったことで、私たちにもおなじみの用語になりました。
 専門的な用語が浸透して私たちになじめば、それはそれでいいのですが、新しい防災気象情報として「顕著な大雨に関する情報」が登場して、それが「線状降水帯」の発生を確認したときに発表……となると、ややこしい。

 本号で「防災気象情報の伝え方に関する検討会」が検討結果をとりまとめたことをリポートしましたが、本紙校了直前とあって、またその検討結果の内容がよくわからなかったこともあって(!)、リンクだけ貼っておきました(ごめんなさい)。
 この検討会、報告書「概要」に<中長期的な検討事項>として「警戒レベルを軸としたシンプルでわかりやすい防災気象情報体系へ整理・統合」をあげていますが、あれ? それこそが喫緊の検討課題ではなかったのか?……

 いずれにしても、防災気象情報のわかりにくさは変わらないように思います。ただ、「キキクル」はわかりやすい。要は「危機来た!」とわかって、情報の受け手がどう「避難行動をとるか」ですね。
 「常在防災」で行きたいものです。

●防災力向上に資する「地理」の必修化 知識・知恵の備蓄

 来春から高校の授業に「地理」が必修化されるそう。ほぼ半世紀ぶりの復活ということで、国内外で相次ぐ大規模災害や南海トラフ巨大地震に備え、一人ひとりの防災意識やその実践力を高める狙いもあるそうです。
 「21世紀は災害の世紀」――現在の青少年、子どもたちがわが国を担う成人となる頃までに想定巨大災害が起こりそう……知識・知恵の備蓄も必要です。

   (M. T. 記)


「百年防災社」HPより、オンライン受援訓練の様子
「百年防災社」HPより、オンライン受援訓練の様子

■《Bosai Plus》第256号・2021年04月15日号発行!
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●女性が活躍できないわが国は、”後進国”になる……いいの?

 本号巻頭企画は「女性主宰」グループの防災活動事例を取り上げました。国が先進事例として紹介するものとは趣きが異なるかもしれませんが、防災分野の男女共同参画の最近の事例として見ていただければと思います。

 内閣府男女共同参画局の活動理念は高く評価され、防災分野での施策もいろいろ打ち出されていますが、それがなかなか、ほかの分野同様、社会に反映されません。
 同局が最近まとめた「男女平等と投資パフォーマンスの向上を同時にめざすジェンダー投資」によると、「投資顧問会社や生命保険会社などの機関投資家の過半数が、投資の際に女性の役員・管理職比率といった女性の活躍にかかわる情報に注目している」とのこと。

 調査結果では、投資判断に際し、女性の活躍についての情報を採り入れている機関が過半数を占めたいっぽう、幹部の比率だけでなく、すべての階層での比率、男女平等を職場で進めるための人事方針、具体的な目標といったさらなる情報の開示を求める声もあがっているそうです。
 そして、役員の女性比率が高い企業のほうが、ROE(自己資本利益率)が高いという調査結果もあり、ジェンダー投資は欧米を中心に広がっているとのこと。

 わが国は現与党を中心に経済成長率を高めることを”国是”として国策運営を行ってきた印象があります。男女共同参画が経済成長を促すということであれば、政策も一気呵成にそちらに舵を切りそうですが、なかなかそうはいかないのはなぜ?

 経団連の「副会長」に初めて女性が就いたとの華々しい(?)報道がありましたが、経団連副会長は20人もいる(しかも2人増やしたうちの1人が女性)ということをメディアはあまり伝えていません。マスメディアの責任も大きいものがあります。

 筆者(男)も反省するところは多々ありますが、わが国の男女格差の根本的な原因は詰まるところ「男の利権死守」という経済的・構造的な問題にありそう。
 女がその牙城崩しに自ら挑むのはなかなかむずかしそうですが、牙城がこのまま”不落城”だと日本は近い将来、後進国に甘んじることになるのでしょう……いえ、もしかすると、世界遺産レベルの”ガラパゴス国家”として観光立国?

●忙中閑和――非常食に「ポテチ」

 東京都板橋区は湖池屋や東京家政大学と連携して、災害時の非常食としてポテトチップスを活用するよう区民に呼びかけるそうです。ポテトチップスの賞味期限は6カ月間あり保存性が高いことから、非常食の備蓄を手軽に始めるきっかけにしてもらうとのこと。
 あ、そのローリングストックなら、もうやってます?

   (M. T. 記)


「IAA PDC 2021」はオーストリア・ウィーンで来たる4月26日~30日に開催される。小惑星や彗星のような太陽系小天体の地球衝突問題がテーマの国際会議で、そのホームページに開催日までのカウントダウンが掲載され”臨戦感”を演出している

■《Bosai Plus》第255号・2021年04月01日号発行!
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●『リップル〜もしも○○が起こるとしたら?〜』

 NHK総合テレビで3月23日放送の『リップル〜もしも○○が起こるとしたら?』は「小惑星が衝突したら……」という想定外がテーマのバラエティ番組。防災上、想定外が大きなテーマでもある本紙は必見だと思い、ビデオも録りました。

 番組では小惑星は日本のどこかに衝突するという設定、しかもそれほど規模は大きくないので、内陸直下地震の想定と同じようなもの。ゲストたちが考える対策・想定も、地震対策とほぼ共通するもののようで、やや肩透かしでした。

 本文でも触れましたが、小惑星の地球衝突リスクについては国際的な科学者の共同研究も行われており、それを紹介する、あるいは映画「アルマゲドン」のような日本や地球存亡の危機に、あなたはどうするかを議論したほうがおもしろかったのでは、と思います。

 私見では、ディザスター映画は想像力をバネに科学を跳び越え、災害の不条理性を暴くところにその本質があると思っています。同時に自然の脅威下で、人間の行動規範(愛、正義、勇気、誇りなど)、危機管理手法(情報管理、分析、リーダーシップ、行動力など)をRPG的に検証し得るところに深みがあります。

 最先端科学の知見を踏まえたプロットと高度なCGを駆使して自然の脅威を大型スクリーンいっぱいに展開するディザスター映画は、映画のカテゴリーとしてはもちろん、想定外への想像力を養う防災教材としても注目していいのではないでしょうか。

●トヨタ「Woven City(ウーブン・シティ)」の降灰対策が知りたい

 トヨタが、富士山麓・静岡県裾野市の自社工場の跡地を利用して、最先端技術を集約した「Woven City(ウーブン・シティ)」というまちづくりを始めました。
 本号で富士山火山噴火想定の改定の話題を取り上げましたが、トヨタのこのまちづくり構想に富士山噴火想定・火山災害対策は組み込まれているのでしょうか。
 当然、想定はされているのでしょうが、とくにデジタル都市の降灰対策などは興味深いところ、いずれ取り上げたいと思っています。

 なお、トヨタのこの試みはわが国では斬新な試みとして注目されていますが、本紙は2015年10月に、米国での似たような先行事例「CITE」(the Center for Innovation, Testing and Evaluation)を紹介しました。米国中西部ニューメキシコ州の砂漠地帯に人口3万5000人規模を想定した先端技術を装備した小都市をつくろうというものですが、5年を経ていまのところ具体的な進捗はないようです。

 本紙は本号でも「防災省創設」を”推し”ましたが、その本部の立地は日本のどこかまっさらな地に求め、ゼロから防災モデル都市づくりを始めてみるというのはいかがでしょうか。

   (M. T. 記)


東京電力報告書より「福島第一原子力発電所における津波の再現計算結果(浸水深および浸水域)」
東京電力報告書より「福島第一原子力発電所における津波の再現計算結果(浸水深および浸水域)」

■《Bosai Plus》第254号・2021年03月15日号発行!
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●災害周年/周年災害

 ひと月前の2月13日の福島県沖地震で脳裏をめぐったものは「津波」と「F1」でした。2011.3.11以来、大きな地震の発生速報を目にするたびに、この2つが脳裏を横切ります。それは「だれしも……」でしょう。そして東日本大震災から10年となる2021.3.11を迎えました。

 「災害周年」は、単に”あれから何年”ではありません。記憶の風化、実感の風化は避けられないとしても、”あれから何年”を機に、それぞれがなんらかのかたちであの日の災害記憶・実感の更新を試みる、あるいは記録から災害の実像を想像してみる、災害死者・被災者に思いをいたす――それが教訓としての災害周年の意味かと思います。
 防災情報新聞の「周年災害」はその意味で、大変価値のあるアーカイブだと思っています。

●危機管理、彼我の差

 本号トップ企画記事で取り上げた「柏崎刈羽原発で社員が他人のIDカードを使って不正に中央制御室に入った」問題――
 本稿筆者が反射的に思い浮かべたことは、わが国では銀行窓口周辺では警備員は表には出ず、腰の低い懇切丁寧なホテルのコンシェルジュのようなスタッフが客の応対をするけれども、米国では警備員はむしろ目立たなければならない存在で、威圧的に客を睥睨(へいげい)するということ――

 危機管理のあり方、その“思想”にこれだけの彼我の差があるということ。わが国の危機管理は、「厳格な警備業務を行い難い協調・同調圧力志向の風土」から脱却できるのでしょうか。

 いっぽう、原発災害を中心とした福島県の公立展示施設「東日本大震災・原子力災害伝承館」(福島県双葉町)の展示内容について、原発事故の負の側面――事故前の備えの不足や原発の安全神話に対する教訓部分が乏しいとの指摘が多く、見直されるということです。
 国の予算を使って県が運営する原子力災害伝承館、ここだけは”忖度”があったとは考えたくないところです。

●忙中閑話

 国家公務員試験 出題予想の漢字――忖度、収賄 更迭
 (朝日新聞「かたえくぼ」和光・やかんかやさんの投稿より)

   (M. T. 記)


津波浸水想定「ここまで」の致命的錯誤
津波浸水想定「ここまで」の致命的錯誤

■《Bosai Plus》第253号・2021年03月01日号発行!
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●東日本大震災から10年 本紙と提携紙のアーカイブに注目を

 本号は「東日本大震災から10年・特別構成」で10ページ建てになっています。
 災害を「周年」ごとに思い起こし、犠牲者を供養・追悼する意味ではもちろん、防災の視点からもその記憶を更新し、次の災害に備えて検(あらた)める(=検証する)ことは大きな意味のあることだと確信しています。

 本紙が共同編集する「防災イベント 2カ月カレンダー/その日起こった災害 付き」はその意味でも大変高いご評価をいただいています(ただいま新サイトへ移転のため「工事中」。しばらくお待ちください)。

 防災情報新聞の「周年災害」は、わが国の災害史について、発生年の「10年単位」で過去の大災害や特異災害、防災関連の施策の概要などをアーカイブ化し、継続して更新するという膨大な情報量を有するアーカイブです。
 この「周年災害」を2005年から連載・更新してきた山田征男氏が東日本大震災10年を機に、「周年災害~東日本大震災から10年」を書下ろしました。

 本紙は紙面に限りがありその一部の転載になりましたが、WEB防災情報新聞には全文が掲載されますので(3月5日アップ予定)、ぜひ本紙と併せてご覧ください。なお、今回の本紙掲載分はは第1部で、第2部は「福島原発事故」、本紙では次号で掲載予定です。

 山田氏はこの「周年災害」をベースに、「日本の災害・防災年表」を7つの災害カテゴリでまとめていて(こちらも常時更新)、これもわが国最大級の情報量を誇るアーカイブに成長していますので、みなさまの参考資料にしていただければと思います。

>>WEB防災情報新聞:日本の災害・防災年表

●「3.11」を「防災教育と災害伝承の日」に

 東日本大震災が発生した3月11日を「防災教育と災害伝承の日」に制定しようと、今村文彦・東北大災害科学国際研究所所長を代表呼びかけ人として、私たちにはおなじみの5人の防災有識者が、賛同者の募集を始めました(本紙 P. 2 参照)。

 阪神・淡路大震災の発災日「1.17」が「防災とボランティアの日」になったように、「3.11」を「防災教育と災害伝承の日」に、というもの。みなさまも賛同者として登録されてはいかがでしょう(本紙は登録済み)。
 近刊号でその動向の続報を予定しています。

   (M. T. 記)


■《Bosai Plus》第252号・2021年02月15日号発行!
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●福島県沖地震 M7.3 低頻度大規模災害が頻発の予感

 2月13日午後11時過ぎの福島県沖地震 M7.3に、だれしも「2011年 東北地方太平洋沖地震」(東日本大震災)”デジャヴ(既視感)”を味わったことと思います。「東日本大震災10年」のほぼひと月前で、改めて私たちに自然災害の不条理への”覚醒”を促すような地震でした。

 本号校了直前の大地震でもあり、編集企画の変更も迫られました。本号ではたまたま、挑戦的な研究開発「ムーンショット」(P. 2参照)を巻頭企画に予定していましたが、ボリュームを縮小しての掲載になりました。

 「ムーンショット」は2050年ごろまでを展望する長期プロジェクトで、「破壊的イノベーションの創出による困難な社会問題の解決」を華々しく打ち出しているので、当然、防災分野(減災)も主要なテーマになることを期待しているのですが、どうやら”デジタル技術”そのものを目的化したプロジェクトのようで、”羊頭狗肉”の感があります。

 その意味で、今回の地震はたまたま逆説的に「ムーンショット」の限界を浮き彫りにしたのかもしれません。2050年までにはおそらく間違いなく何度か経験するであろう大規模広域災害――さらなる日本海溝沿いの巨大地震、そして南海トラフ巨大地震、首都直下地震、不意の内陸活断層地震など――への課題解決という視点は「ムーンショット」にはどうやらないようです。
 そうであれば、本号の「福島県沖地震・速報」と「ムーンショット」の抱き合わせ企画は、皮肉にも的を射ているのかも。

 いずれにしても、自然災害リスクは虎視眈々と私たちの生活のかたわらに伏してスキを狙っていて、その脅威を嗅覚で予感せよと、私たちを促すかのようでもあります。

●コロナ禍で、改めてスポットライトを浴びる濱口梧陵

 濱口梧陵さん(本号P. 3-4)は、防災のほかにもいろいろ大きな社会貢献をされました。防災意識が日常生活の主流であればこそ、「防疫」にも「人材教育」にも気が回るということでしょう。
 梧陵さんのもうひとつの顔、ぜひ知っておいていただきたいと思います。

●《Bosai Plus》ホームページ、「防災イベント 2カ月カレンダー」サイトの再開、依然「工事中」です。いましばらくお待ちくださいますように。

   (M. T. 記)


■《Bosai Plus》第251号・2021年02月01日号発行!
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●攻めるオンライン防災広報――”総合的・俯瞰的”広報に期待

 本号特別企画は「オンライン防災広報」――コロナ禍の「ニューノーマル」は、社会、そして国のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の大波とも重なって、社会的な大変革をもたらそうとしています。その例に漏れないのが「防災分野のDX化」です。

 本紙は昨年10月15日号(No. 244)で「コロナ禍の防災見本市」を取り上げました。防災は言うまでもなく「不要不急」の対極にあり、防災・減災対策に遅滞は許されない――という趣旨で、リアル会場での実施・開催のあり方、ノウハウの事例を取り上げ、あるいはオンライン開催といった”新しい様式”での開催を模索するケースを紹介しました。

 本号では政府広報活動のポータルサイト「チームNEXTステップ」開設を機に、続編ともなる「防災啓発・教育・研究」分野での各種広報・イベントのオンライン化動向・事例を探り、期待も込めて”攻めるオンライン防災”としました。

 ただ、広報はあくまで広報ですから、広報主体の主張・見解が前面に打ち出されるものです。情報の受け手としては、それこそ”総合的・俯瞰的に”受けとめ、それぞれの是々非々の視点も必要かと思われます。

 今回は紙面制約の都合で触れられませんでしたが、学会系や民間系の防災サイトでもオンラインでの広報、シンポジウム公開などが盛んです。いずれまた、こうした動向も取り上げたいと思っています。

   (M. T. 記)


■《Bosai Plus》第250号・2021年01月15日号発行!


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●「女性視点」の防災は、「女性視点」のみに矮小化されてはいけない……

 いま国は、2021年度「男女共同参画週間(6月23日〜29日)」のキャッチフレーズを募集中(1月12日~2月26日)です。これにちなんでというわけでもないのですが、本号特別企画は、「女性視点の災害対応力強化」。そのサブタイトルを「ことさら女性視点は変、男女協働防災が”初期設定”」としたのはキャッチフレーズ応募候補作としていかがか……というつもりもあります。
 冗談はともかく、本企画趣旨は、男女共同参画局公表の「災害対応力を強化する女性の視点 ~男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン~」の紹介にあります。

 ただ以前、本欄で書きましたが、避難所運営の改善などで唱えられた「女性視点の防災」は、ややもすれば、男性視点での女性視点ではないか……という、やや、ややこしい(笑)異論も交えました。

 つまり本来、防災は「男女協働」であって、女性の属性に基づく「女性視点」(例えば女性専用更衣室や授乳室の必要など)ではなく、防災施策・方針決定などについて全般的な発言力を認める、「男女を問わない視点」扱いとしての「女性の視点」が出発点にあるはずだということ。
 その意味では、都道府県防災会議をはじめ自主防災の運営幹部会などに女性が少ない、男性偏在であるということは、”あるべき防災”ではないと思っています。

 極論ですが、国会議員をクオーター制どころか全部女性にしよう……という有識者(男性)の提言を聞いたことがあります。そうなったら確かに世界が変わるでしょうね、しかも、いい方向に。

●自治体のみなさんは「防災省」設置に賛成?

 防災から復旧・復興までを担う「防災省」は必要か――共同通信のアンケート調査によると、全国自治体の61.4%は、災害の備えから復興までを一手に担う国の専門機関「防災省」が必要と考えていることが分かったそうです。
 その理由として多くが、防災業務が複数省庁に分散する縦割り行政の弊害を指摘したそう……本紙も同感です。
>>共同通信(1月10日付け):「防災省」設置必要、61% 縦割り弊害指摘

   (M. T. 記)




■《Bosai Plus》第249号・2021年01月01日号発行!
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●明けましておめでとうございます

 2021年=令和3年の年明けです。
 旧年中は新型コロナウイルス感染症蔓延の年となり、まさに歴史的な災異の年となりました。
 読者のみなさまにおかれましては、新型コロナウイルスの影響やいかがかと案じております。くれぐれもご自愛のうえ、新しい年のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
 そして、ニューノーマル20年代の始まりの年であればなおのこと、引き続き本紙をご愛読・ご支援たまわり、多難な時代により安全・安心社会をめざして、ご一緒に新たな一歩を踏み出す年とさせていただければ幸いに存じます。

Webブラウザで PLATEAU のCityGML(Geography Markup Language) データをプレビューできる「PLATEAU VIEW」
Webブラウザで PLATEAU のCityGML(Geography Markup Language) データをプレビューできる「PLATEAU VIEW」

●防災の近未来 向こう20年を”俯瞰”して

 AI(人工頭脳)やデジタル・ITの日進月歩ぶりは、日進月歩という旧世代の用語が通用しないくらいに先を行くものですが、逆に、社会の仕組みがそれに追いつかないという現実もあります。
 例えば、自動運転の車と車の運転が好きな人が自由意志で運転する車は、同じ走行車線で共存できるのでしょうか。自由意志で走る車(人)が自動運転車に対してあおり運転をしたらどうなるのでしょうか……

 本号で取り上げた「DX」はあくまで整合性のとれた仕組みのなかで効果が発揮されるものですが、人間がその回路にからむと複雑系の「DX」になるのでしょう。
 防災の「DX」も、イメージとしては「災害犠牲者ゼロ」がはるか遠くに究極の目標としてあって、それが北極星のように輝いて導いてくれれば、「DX」はそれをめざして試行錯誤しながらも近づいていくのでしょう。

 21世紀も5分の1が過ぎました。次の5分の1の20年間にはおそらく南海トラフ巨大地震、あるいは首都直下地震が起こるかと思われます。あるいは、両方が次の20年間に相次いで起こる可能性も高くなってきました。
 新年早々、縁起でもありませんが、警戒するに越したことはありません。次の20年はすでに始まっているのですから。

●忙中閑話 SPの危機管理の担当範囲は

 昨年末の菅首相らの会食に世論の批判が高まり、マスコミの論調はもっぱらご本人の責任を指摘しました。その批判は当然のこととして、その取り巻きの人たちの無神経さ(見識のなさ)を指摘する声は少なかったようです。
 あえて本紙に言わせてもらえば、危機管理の観点から、首相のSP(セキュリティポリス)が身体を張って首相の会食出席を阻むべきだったと思う次第……!

   (M. T. 記)


防災士認証登録者の推移(日本防災士機構HPより)

■《Bosai Plus》第248号・2020年12月15日号発行!
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●防災士になるー―「防災士研修講座」のすすめ

 本号巻頭企画は「防災士 累計20万人突破」というニュースを受けて「防災士」を支援する本紙として、感慨をもって防災士制度小史に触れてみました。

 私自身が防災士資格を取得したのは防災士の研修史から言えば比較的早い時期でしたが、実際に受講して、学ぶ(知る)歓びと言いますか、”目からうろこ”の知恵・知識を得る充実感を深く感じたことを思い出します。

 当時、阪神・淡路大震災の衝撃・記憶が風化とまでは言わないまでも、記憶は薄れがちで、防災への熱もそがれがちの風潮でした。私が防災士になったきっかけは防災士制度を推進する一翼である防災情報新聞に仕事としてかかわったことからですから、「防災士になる」ことは当然の帰結ではありました。
 しかし、それが単なる資格ではないことが、研修講座を受けることではっきりしました。防災士研修講座の内容(講義内容、講師陣、運営など)の充実ぶりに感じ入ったのです。

 たとえ理学や工学系の防災研究者でも、あるいは救命・救助のプロである消防官や警察官でも、例えば自主防災や被災者支援、復興の法的課題、災害史といった防災の別な側面では改めて勉強も必要です。
 防災士研修講座で用いる「防災士教本」を見ればわかるように、研修は”オールハザード”を扱い、防災について知っておくべき多方面・多様な知識・情報を、豊かな実践経験の裏づけを持つ講師から学ぶことができます。

 防災士は民間資格でもあり、必ずしも”就活”に効果があるとは思えません。しかし、あなた自身の、そして家族の、大切な人の「いのちと安全」に深くかかわる資格であることに疑いはなく、さらには「安全・安心な社会づくり」に役立つ資格、社会貢献の「志」を励ます資格だと、あえて断言しておきます。

   (M. T. 記)


東京都の「日常備蓄だよ!貝社員」触って楽しむクイズ動画より

■《Bosai Plus》第247号・2020年12月01日号発行!
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●「備蓄」は大切です! 「今やろう! 日常備蓄」

 本号巻頭企画で取り上げた東京都の「日常備蓄」は、備蓄に「日常」が付加された分、これまでの「備蓄」の考え方より新鮮、「新しい防災様式」として響きます。

 「備蓄」のなかでとくに食料について、以前は3日分の備蓄が推奨されていましたが、大規模広域災害が想定されるいまは、被災地ではなくても、生産・物流の寸断で食品・日用品が店頭からなくなる可能性があり、全国民的に(全国的に)最低1週間は必要というのが新常識になってきました。

 そこで近年では「ローリングストック」と呼ばれる備蓄様式が知られるようになってきました(余談ですが、英語で「Rolling Stock」は鉄道や貨物自動車などの車両のこと。備蓄様式の意味をあえて英語で表すならば”Stock Rolling”と語順が逆さまになります。いまでは国も和製英語を承知でこの「ローリングストック」を使っていますので、これで通すことにしましょう)。

 この「ローリングストック」(以下、「RS」)は通常、「普段の食事に利用する缶詰やレトルト食品などを備蓄食料とし、製造日の古いものから使い、使った分は新しく買い足して、常に一定量の備える備蓄法」とされています。
 ただ、いま広く「RS」として普及している方法はもっと緩く、日持ちのする食材を循環させるという程度の理解のようです(缶詰やレトルト食品の常備は必須ではない)。それだといざというときに、果たして1週間分の備蓄になるかどうか疑問が残ります。

●国が薦める「1週間食料備蓄法」

 「RS」の見本例としては、内閣府が推奨する以下の方法が1週間食料備蓄法”正統派RS”ということになりそうです。
 「普段からちょっと多めに食材を買い置きしておけば、最初の3日間は冷蔵庫にあるものを食べてしのげる。次の3日間は、RS食材でまかなう。それ以降は、乾物や発酵食品などの保存食やインスタントヌードル、フリーズドライ食品、チョコレートなどで乗り切る。調理方法(レシピ)もストックして、おいしい食の備えの完成」――
>>内閣府(防災担当):1週間を想定した工夫と備え

 ただし、ここまでで示されていない課題は、水道・電気・ガスなどインフラ途絶。冷蔵庫は夏場の停電でも締め切っておけば3日間ほどは持たせられるかもしれませんが食材の劣化に要注意。そして、調理には水とガスコンロ・ガスボンベのセットが要ります。家族構成によっては水だけでも相当な量になり、カセットボンベは国の備蓄法では買い置きは15~20本となって、保管スペースの確保も課題です。

●視点の転換――「地区備蓄」応援協定ってむずかしい?

 そこで、視点の転換――「食料備蓄」は基本的には「自助」が原則でしょうが、例えば自主防災組織などの「共助」による備蓄体制をとれないものでしょうか――食料備蓄については、これまで「共助」の発想・アイデアはなかったように思われます。

 「フードバンク活動」を行う組織やファストフード業界との災害時応援協定など、平時のうちに「ギブ&テイク」関係の整備ができないものかと夢想しています。
 言わば、流通市場を介さない地域での自給自足、物々交換(持ち寄り)体制の構築――近隣住民・企業・団体同士による「地区備蓄の応援協定」を提案しておきます。

   (M. T. 記)


グリーンランドの氷の減少(アニメーション)

■《Bosai Plus》第246号・2020年11月15日号発行!
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●防災士への期待を表明? 『気候変動×防災』戦略

 本号特別企画は、内閣府と環境省が6月に打ち出した「気候危機時代の『気候変動×防災』戦略」を中心に、同時進行的に表明された菅新政権の新基軸「カーボンニュートラル」、そして自治体や超党派議員連盟による「気候非常事態宣言」を取り上げました。

 ”なんということでしょう!”――わが国の基本政策が一気呵成に「環境防災」へと方向転換するようです。
 防災メディアとしてはもちろん大歓迎ですが、なにか裏があるのではと勘ぐりたくなるような「政策一新」のように見えますが……”裏”というわけではなさそうですが、安倍政権を継承すると公言した菅政権で、もともと「環境への意識」は既定路線だったようです。しかもそれは、新機軸というよりは国際的な外圧で仕方なく……といったふうでもあります。

 それでも、これらの動向は本紙として歓迎すべき新機軸であり、とくに『気候変動×防災』戦略は、「気候変動×防災の主流化」、「自助・共助の意識を持って自宅、職場、地域の災害リスクを認識し防災意識の向上を促す」、「地域や職場で防災の知識や行動を共有する活動に取り組み、コミュニティや企業を災害に強くする」などとうたっていて、まさに「防災士の活躍に期待する」とでも言いたげと受けとめました。
 防災士の活動モットーとしても、『気候変動×防災』を掲げたいところです。

●『稲むらの火』のトーチを次世代にリレーする

 前号の「津波防災の日」、そして「稲むらの火」の濱口梧陵生誕200年に関連して、伊藤和明先生からご寄稿をいただきました。
 また、伊藤先生からの情報ご提供で「濱口梧陵生誕200年記念 みらクルTV交流会」もオンライン取材させていただきました。伊藤先生は以前、防災教材としての「稲むらの火」について、「稲むらの火が多くの人の心に灯されることを期待したい」と話されていたことが印象に残っていて、そうしたニュアンスでの取材まとめにしています。
 ぜひ同交流会の様子(YouTube)をご覧ください。
>>みらクルTV:「濱口梧陵翁生誕200年」交流会(YouTube)

*本紙P. 2掲載の「日本で最初のCEDシンポジウム」のちらし説明で「CED」の説明記載が漏れました。「CED」は「気候非常事態宣言」で、Climate Emergency Declarationの頭文字です。

   (M. T. 記)


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