BOSAI+ TWEETS & TIPS

■Tweets & Tips

 このページでは、防災ニュースレター《Bosai Plus》が発行・配信された時点で購読者に向けたダウンロード・サイトのご案内メール内に記載された本紙・編集発行人(M. T.)による「時事雑感:Tweets & Tips」を収録しています。
 ”Tweets”は、英語ではツイッターなどの「つぶやき」、”Tips”は「気の利いたアイデア」といった意味です。気が利いているかどうかはともかく、この雑感から、発行時点での防災動向がうかがえるかと思います。

 以下、掲載順は、直近号から既刊号へ遡っています(各号の P. 1 画像へのリンク付き)


「IAA PDC 2021」はオーストリア・ウィーンで来たる4月26日~30日に開催される。小惑星や彗星のような太陽系小天体の地球衝突問題がテーマの国際会議で、そのホームページに開催日までのカウントダウンが掲載され”臨戦感”を演出している

■《Bosai Plus》第255号・2021年04月01日号発行!
同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

●『リップル〜もしも○○が起こるとしたら?〜』

 NHK総合テレビで3月23日放送の『リップル〜もしも○○が起こるとしたら?』は「小惑星が衝突したら……」という想定外がテーマのバラエティ番組。防災上、想定外が大きなテーマでもある本紙は必見だと思い、ビデオも録りました。

 番組では小惑星は日本のどこかに衝突するという設定、しかもそれほど規模は大きくないので、内陸直下地震の想定と同じようなもの。ゲストたちが考える対策・想定も、地震対策とほぼ共通するもののようで、やや肩透かしでした。

 本文でも触れましたが、小惑星の地球衝突リスクについては国際的な科学者の共同研究も行われており、それを紹介する、あるいは映画「アルマゲドン」のような日本や地球存亡の危機に、あなたはどうするかを議論したほうがおもしろかったのでは、と思います。

 私見では、ディザスター映画は想像力をバネに科学を跳び越え、災害の不条理性を暴くところにその本質があると思っています。同時に自然の脅威下で、人間の行動規範(愛、正義、勇気、誇りなど)、危機管理手法(情報管理、分析、リーダーシップ、行動力など)をRPG的に検証し得るところに深みがあります。

 最先端科学の知見を踏まえたプロットと高度なCGを駆使して自然の脅威を大型スクリーンいっぱいに展開するディザスター映画は、映画のカテゴリーとしてはもちろん、想定外への想像力を養う防災教材としても注目していいのではないでしょうか。

●トヨタ「Woven City(ウーブン・シティ)」の降灰対策が知りたい

 トヨタが、富士山麓・静岡県裾野市の自社工場の跡地を利用して、最先端技術を集約した「Woven City(ウーブン・シティ)」というまちづくりを始めました。
 本号で富士山火山噴火想定の改定の話題を取り上げましたが、トヨタのこのまちづくり構想に富士山噴火想定・火山災害対策は組み込まれているのでしょうか。
 当然、想定はされているのでしょうが、とくにデジタル都市の降灰対策などは興味深いところ、いずれ取り上げたいと思っています。

 なお、トヨタのこの試みはわが国では斬新な試みとして注目されていますが、本紙は2015年10月に、米国での似たような先行事例「CITE」(the Center for Innovation, Testing and Evaluation)を紹介しました。米国中西部ニューメキシコ州の砂漠地帯に人口3万5000人規模を想定した先端技術を装備した小都市をつくろうというものですが、5年を経ていまのところ具体的な進捗はないようです。

 本紙は本号でも「防災省創設」を”推し”ましたが、その本部の立地は日本のどこかまっさらな地に求め、ゼロから防災モデル都市づくりを始めてみるというのはいかがでしょうか。

   (M. T. 記)


東京電力報告書より「福島第一原子力発電所における津波の再現計算結果(浸水深および浸水域)」
東京電力報告書より「福島第一原子力発電所における津波の再現計算結果(浸水深および浸水域)」

■《Bosai Plus》第254号・2021年03月15日号発行!
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●災害周年/周年災害

 ひと月前の2月13日の福島県沖地震で脳裏をめぐったものは「津波」と「F1」でした。2011.3.11以来、大きな地震の発生速報を目にするたびに、この2つが脳裏を横切ります。それは「だれしも……」でしょう。そして東日本大震災から10年となる2021.3.11を迎えました。

 「災害周年」は、単に”あれから何年”ではありません。記憶の風化、実感の風化は避けられないとしても、”あれから何年”を機に、それぞれがなんらかのかたちであの日の災害記憶・実感の更新を試みる、あるいは記録から災害の実像を想像してみる、災害死者・被災者に思いをいたす――それが教訓としての災害周年の意味かと思います。
 防災情報新聞の「周年災害」はその意味で、大変価値のあるアーカイブだと思っています。

●危機管理、彼我の差

 本号トップ企画記事で取り上げた「柏崎刈羽原発で社員が他人のIDカードを使って不正に中央制御室に入った」問題――
 本稿筆者が反射的に思い浮かべたことは、わが国では銀行窓口周辺では警備員は表には出ず、腰の低い懇切丁寧なホテルのコンシェルジュのようなスタッフが客の応対をするけれども、米国では警備員はむしろ目立たなければならない存在で、威圧的に客を睥睨(へいげい)するということ――

 危機管理のあり方、その“思想”にこれだけの彼我の差があるということ。わが国の危機管理は、「厳格な警備業務を行い難い協調・同調圧力志向の風土」から脱却できるのでしょうか。

 いっぽう、原発災害を中心とした福島県の公立展示施設「東日本大震災・原子力災害伝承館」(福島県双葉町)の展示内容について、原発事故の負の側面――事故前の備えの不足や原発の安全神話に対する教訓部分が乏しいとの指摘が多く、見直されるということです。
 国の予算を使って県が運営する原子力災害伝承館、ここだけは”忖度”があったとは考えたくないところです。

●忙中閑話

 国家公務員試験 出題予想の漢字――忖度、収賄 更迭
 (朝日新聞「かたえくぼ」和光・やかんかやさんの投稿より)

   (M. T. 記)


津波浸水想定「ここまで」の致命的錯誤
津波浸水想定「ここまで」の致命的錯誤

■《Bosai Plus》第253号・2021年03月01日号発行!
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●東日本大震災から10年 本紙と提携紙のアーカイブに注目を

 本号は「東日本大震災から10年・特別構成」で10ページ建てになっています。
 災害を「周年」ごとに思い起こし、犠牲者を供養・追悼する意味ではもちろん、防災の視点からもその記憶を更新し、次の災害に備えて検(あらた)める(=検証する)ことは大きな意味のあることだと確信しています。

 本紙が共同編集する「防災イベント 2カ月カレンダー/その日起こった災害 付き」はその意味でも大変高いご評価をいただいています(ただいま新サイトへ移転のため「工事中」。しばらくお待ちください)。

 防災情報新聞の「周年災害」は、わが国の災害史について、発生年の「10年単位」で過去の大災害や特異災害、防災関連の施策の概要などをアーカイブ化し、継続して更新するという膨大な情報量を有するアーカイブです。
 この「周年災害」を2005年から連載・更新してきた山田征男氏が東日本大震災10年を機に、「周年災害~東日本大震災から10年」を書下ろしました。

 本紙は紙面に限りがありその一部の転載になりましたが、WEB防災情報新聞には全文が掲載されますので(3月5日アップ予定)、ぜひ本紙と併せてご覧ください。なお、今回の本紙掲載分はは第1部で、第2部は「福島原発事故」、本紙では次号で掲載予定です。

 山田氏はこの「周年災害」をベースに、「日本の災害・防災年表」を7つの災害カテゴリでまとめていて(こちらも常時更新)、これもわが国最大級の情報量を誇るアーカイブに成長していますので、みなさまの参考資料にしていただければと思います。

>>WEB防災情報新聞:日本の災害・防災年表

●「3.11」を「防災教育と災害伝承の日」に

 東日本大震災が発生した3月11日を「防災教育と災害伝承の日」に制定しようと、今村文彦・東北大災害科学国際研究所所長を代表呼びかけ人として、私たちにはおなじみの5人の防災有識者が、賛同者の募集を始めました(本紙 P. 2 参照)。

 阪神・淡路大震災の発災日「1.17」が「防災とボランティアの日」になったように、「3.11」を「防災教育と災害伝承の日」に、というもの。みなさまも賛同者として登録されてはいかがでしょう(本紙は登録済み)。
 近刊号でその動向の続報を予定しています。

   (M. T. 記)


■《Bosai Plus》第252号・2021年02月15日号発行!
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●福島県沖地震 M7.3 低頻度大規模災害が頻発の予感

 2月13日午後11時過ぎの福島県沖地震 M7.3に、だれしも「2011年 東北地方太平洋沖地震」(東日本大震災)”デジャヴ(既視感)”を味わったことと思います。「東日本大震災10年」のほぼひと月前で、改めて私たちに自然災害の不条理への”覚醒”を促すような地震でした。

 本号校了直前の大地震でもあり、編集企画の変更も迫られました。本号ではたまたま、挑戦的な研究開発「ムーンショット」(P. 2参照)を巻頭企画に予定していましたが、ボリュームを縮小しての掲載になりました。

 「ムーンショット」は2050年ごろまでを展望する長期プロジェクトで、「破壊的イノベーションの創出による困難な社会問題の解決」を華々しく打ち出しているので、当然、防災分野(減災)も主要なテーマになることを期待しているのですが、どうやら”デジタル技術”そのものを目的化したプロジェクトのようで、”羊頭狗肉”の感があります。

 その意味で、今回の地震はたまたま逆説的に「ムーンショット」の限界を浮き彫りにしたのかもしれません。2050年までにはおそらく間違いなく何度か経験するであろう大規模広域災害――さらなる日本海溝沿いの巨大地震、そして南海トラフ巨大地震、首都直下地震、不意の内陸活断層地震など――への課題解決という視点は「ムーンショット」にはどうやらないようです。
 そうであれば、本号の「福島県沖地震・速報」と「ムーンショット」の抱き合わせ企画は、皮肉にも的を射ているのかも。

 いずれにしても、自然災害リスクは虎視眈々と私たちの生活のかたわらに伏してスキを狙っていて、その脅威を嗅覚で予感せよと、私たちを促すかのようでもあります。

●コロナ禍で、改めてスポットライトを浴びる濱口梧陵

 濱口梧陵さん(本号P. 3-4)は、防災のほかにもいろいろ大きな社会貢献をされました。防災意識が日常生活の主流であればこそ、「防疫」にも「人材教育」にも気が回るということでしょう。
 梧陵さんのもうひとつの顔、ぜひ知っておいていただきたいと思います。

●《Bosai Plus》ホームページ、「防災イベント 2カ月カレンダー」サイトの再開、依然「工事中」です。いましばらくお待ちくださいますように。

   (M. T. 記)


■《Bosai Plus》第251号・2021年02月01日号発行!
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●攻めるオンライン防災広報――”総合的・俯瞰的”広報に期待

 本号特別企画は「オンライン防災広報」――コロナ禍の「ニューノーマル」は、社会、そして国のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の大波とも重なって、社会的な大変革をもたらそうとしています。その例に漏れないのが「防災分野のDX化」です。

 本紙は昨年10月15日号(No. 244)で「コロナ禍の防災見本市」を取り上げました。防災は言うまでもなく「不要不急」の対極にあり、防災・減災対策に遅滞は許されない――という趣旨で、リアル会場での実施・開催のあり方、ノウハウの事例を取り上げ、あるいはオンライン開催といった”新しい様式”での開催を模索するケースを紹介しました。

 本号では政府広報活動のポータルサイト「チームNEXTステップ」開設を機に、続編ともなる「防災啓発・教育・研究」分野での各種広報・イベントのオンライン化動向・事例を探り、期待も込めて”攻めるオンライン防災”としました。

 ただ、広報はあくまで広報ですから、広報主体の主張・見解が前面に打ち出されるものです。情報の受け手としては、それこそ”総合的・俯瞰的に”受けとめ、それぞれの是々非々の視点も必要かと思われます。

 今回は紙面制約の都合で触れられませんでしたが、学会系や民間系の防災サイトでもオンラインでの広報、シンポジウム公開などが盛んです。いずれまた、こうした動向も取り上げたいと思っています。

   (M. T. 記)


■《Bosai Plus》第250号・2021年01月15日号発行!


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●「女性視点」の防災は、「女性視点」のみに矮小化されてはいけない……

 いま国は、2021年度「男女共同参画週間(6月23日〜29日)」のキャッチフレーズを募集中(1月12日~2月26日)です。これにちなんでというわけでもないのですが、本号特別企画は、「女性視点の災害対応力強化」。そのサブタイトルを「ことさら女性視点は変、男女協働防災が”初期設定”」としたのはキャッチフレーズ応募候補作としていかがか……というつもりもあります。
 冗談はともかく、本企画趣旨は、男女共同参画局公表の「災害対応力を強化する女性の視点 ~男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン~」の紹介にあります。

 ただ以前、本欄で書きましたが、避難所運営の改善などで唱えられた「女性視点の防災」は、ややもすれば、男性視点での女性視点ではないか……という、やや、ややこしい(笑)異論も交えました。

 つまり本来、防災は「男女協働」であって、女性の属性に基づく「女性視点」(例えば女性専用更衣室や授乳室の必要など)ではなく、防災施策・方針決定などについて全般的な発言力を認める、「男女を問わない視点」扱いとしての「女性の視点」が出発点にあるはずだということ。
 その意味では、都道府県防災会議をはじめ自主防災の運営幹部会などに女性が少ない、男性偏在であるということは、”あるべき防災”ではないと思っています。

 極論ですが、国会議員をクオーター制どころか全部女性にしよう……という有識者(男性)の提言を聞いたことがあります。そうなったら確かに世界が変わるでしょうね、しかも、いい方向に。

●自治体のみなさんは「防災省」設置に賛成?

 防災から復旧・復興までを担う「防災省」は必要か――共同通信のアンケート調査によると、全国自治体の61.4%は、災害の備えから復興までを一手に担う国の専門機関「防災省」が必要と考えていることが分かったそうです。
 その理由として多くが、防災業務が複数省庁に分散する縦割り行政の弊害を指摘したそう……本紙も同感です。
>>共同通信(1月10日付け):「防災省」設置必要、61% 縦割り弊害指摘

   (M. T. 記)




■《Bosai Plus》第249号・2021年01月01日号発行!
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●明けましておめでとうございます

 2021年=令和3年の年明けです。
 旧年中は新型コロナウイルス感染症蔓延の年となり、まさに歴史的な災異の年となりました。
 読者のみなさまにおかれましては、新型コロナウイルスの影響やいかがかと案じております。くれぐれもご自愛のうえ、新しい年のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
 そして、ニューノーマル20年代の始まりの年であればなおのこと、引き続き本紙をご愛読・ご支援たまわり、多難な時代により安全・安心社会をめざして、ご一緒に新たな一歩を踏み出す年とさせていただければ幸いに存じます。

Webブラウザで PLATEAU のCityGML(Geography Markup Language) データをプレビューできる「PLATEAU VIEW」
Webブラウザで PLATEAU のCityGML(Geography Markup Language) データをプレビューできる「PLATEAU VIEW」

●防災の近未来 向こう20年を”俯瞰”して

 AI(人工頭脳)やデジタル・ITの日進月歩ぶりは、日進月歩という旧世代の用語が通用しないくらいに先を行くものですが、逆に、社会の仕組みがそれに追いつかないという現実もあります。
 例えば、自動運転の車と車の運転が好きな人が自由意志で運転する車は、同じ走行車線で共存できるのでしょうか。自由意志で走る車(人)が自動運転車に対してあおり運転をしたらどうなるのでしょうか……

 本号で取り上げた「DX」はあくまで整合性のとれた仕組みのなかで効果が発揮されるものですが、人間がその回路にからむと複雑系の「DX」になるのでしょう。
 防災の「DX」も、イメージとしては「災害犠牲者ゼロ」がはるか遠くに究極の目標としてあって、それが北極星のように輝いて導いてくれれば、「DX」はそれをめざして試行錯誤しながらも近づいていくのでしょう。

 21世紀も5分の1が過ぎました。次の5分の1の20年間にはおそらく南海トラフ巨大地震、あるいは首都直下地震が起こるかと思われます。あるいは、両方が次の20年間に相次いで起こる可能性も高くなってきました。
 新年早々、縁起でもありませんが、警戒するに越したことはありません。次の20年はすでに始まっているのですから。

●忙中閑話 SPの危機管理の担当範囲は

 昨年末の菅首相らの会食に世論の批判が高まり、マスコミの論調はもっぱらご本人の責任を指摘しました。その批判は当然のこととして、その取り巻きの人たちの無神経さ(見識のなさ)を指摘する声は少なかったようです。
 あえて本紙に言わせてもらえば、危機管理の観点から、首相のSP(セキュリティポリス)が身体を張って首相の会食出席を阻むべきだったと思う次第……!

   (M. T. 記)


防災士認証登録者の推移(日本防災士機構HPより)

■《Bosai Plus》第248号・2020年12月15日号発行!
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●防災士になるー―「防災士研修講座」のすすめ

 本号巻頭企画は「防災士 累計20万人突破」というニュースを受けて「防災士」を支援する本紙として、感慨をもって防災士制度小史に触れてみました。

 私自身が防災士資格を取得したのは防災士の研修史から言えば比較的早い時期でしたが、実際に受講して、学ぶ(知る)歓びと言いますか、”目からうろこ”の知恵・知識を得る充実感を深く感じたことを思い出します。

 当時、阪神・淡路大震災の衝撃・記憶が風化とまでは言わないまでも、記憶は薄れがちで、防災への熱もそがれがちの風潮でした。私が防災士になったきっかけは防災士制度を推進する一翼である防災情報新聞に仕事としてかかわったことからですから、「防災士になる」ことは当然の帰結ではありました。
 しかし、それが単なる資格ではないことが、研修講座を受けることではっきりしました。防災士研修講座の内容(講義内容、講師陣、運営など)の充実ぶりに感じ入ったのです。

 たとえ理学や工学系の防災研究者でも、あるいは救命・救助のプロである消防官や警察官でも、例えば自主防災や被災者支援、復興の法的課題、災害史といった防災の別な側面では改めて勉強も必要です。
 防災士研修講座で用いる「防災士教本」を見ればわかるように、研修は”オールハザード”を扱い、防災について知っておくべき多方面・多様な知識・情報を、豊かな実践経験の裏づけを持つ講師から学ぶことができます。

 防災士は民間資格でもあり、必ずしも”就活”に効果があるとは思えません。しかし、あなた自身の、そして家族の、大切な人の「いのちと安全」に深くかかわる資格であることに疑いはなく、さらには「安全・安心な社会づくり」に役立つ資格、社会貢献の「志」を励ます資格だと、あえて断言しておきます。

   (M. T. 記)


東京都の「日常備蓄だよ!貝社員」触って楽しむクイズ動画より

■《Bosai Plus》第247号・2020年12月01日号発行!
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●「備蓄」は大切です! 「今やろう! 日常備蓄」

 本号巻頭企画で取り上げた東京都の「日常備蓄」は、備蓄に「日常」が付加された分、これまでの「備蓄」の考え方より新鮮、「新しい防災様式」として響きます。

 「備蓄」のなかでとくに食料について、以前は3日分の備蓄が推奨されていましたが、大規模広域災害が想定されるいまは、被災地ではなくても、生産・物流の寸断で食品・日用品が店頭からなくなる可能性があり、全国民的に(全国的に)最低1週間は必要というのが新常識になってきました。

 そこで近年では「ローリングストック」と呼ばれる備蓄様式が知られるようになってきました(余談ですが、英語で「Rolling Stock」は鉄道や貨物自動車などの車両のこと。備蓄様式の意味をあえて英語で表すならば”Stock Rolling”と語順が逆さまになります。いまでは国も和製英語を承知でこの「ローリングストック」を使っていますので、これで通すことにしましょう)。

 この「ローリングストック」(以下、「RS」)は通常、「普段の食事に利用する缶詰やレトルト食品などを備蓄食料とし、製造日の古いものから使い、使った分は新しく買い足して、常に一定量の備える備蓄法」とされています。
 ただ、いま広く「RS」として普及している方法はもっと緩く、日持ちのする食材を循環させるという程度の理解のようです(缶詰やレトルト食品の常備は必須ではない)。それだといざというときに、果たして1週間分の備蓄になるかどうか疑問が残ります。

●国が薦める「1週間食料備蓄法」

 「RS」の見本例としては、内閣府が推奨する以下の方法が1週間食料備蓄法”正統派RS”ということになりそうです。
 「普段からちょっと多めに食材を買い置きしておけば、最初の3日間は冷蔵庫にあるものを食べてしのげる。次の3日間は、RS食材でまかなう。それ以降は、乾物や発酵食品などの保存食やインスタントヌードル、フリーズドライ食品、チョコレートなどで乗り切る。調理方法(レシピ)もストックして、おいしい食の備えの完成」――
>>内閣府(防災担当):1週間を想定した工夫と備え

 ただし、ここまでで示されていない課題は、水道・電気・ガスなどインフラ途絶。冷蔵庫は夏場の停電でも締め切っておけば3日間ほどは持たせられるかもしれませんが食材の劣化に要注意。そして、調理には水とガスコンロ・ガスボンベのセットが要ります。家族構成によっては水だけでも相当な量になり、カセットボンベは国の備蓄法では買い置きは15~20本となって、保管スペースの確保も課題です。

●視点の転換――「地区備蓄」応援協定ってむずかしい?

 そこで、視点の転換――「食料備蓄」は基本的には「自助」が原則でしょうが、例えば自主防災組織などの「共助」による備蓄体制をとれないものでしょうか――食料備蓄については、これまで「共助」の発想・アイデアはなかったように思われます。

 「フードバンク活動」を行う組織やファストフード業界との災害時応援協定など、平時のうちに「ギブ&テイク」関係の整備ができないものかと夢想しています。
 言わば、流通市場を介さない地域での自給自足、物々交換(持ち寄り)体制の構築――近隣住民・企業・団体同士による「地区備蓄の応援協定」を提案しておきます。

   (M. T. 記)


グリーンランドの氷の減少(アニメーション)

■《Bosai Plus》第246号・2020年11月15日号発行!
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●防災士への期待を表明? 『気候変動×防災』戦略

 本号特別企画は、内閣府と環境省が6月に打ち出した「気候危機時代の『気候変動×防災』戦略」を中心に、同時進行的に表明された菅新政権の新基軸「カーボンニュートラル」、そして自治体や超党派議員連盟による「気候非常事態宣言」を取り上げました。

 ”なんということでしょう!”――わが国の基本政策が一気呵成に「環境防災」へと方向転換するようです。
 防災メディアとしてはもちろん大歓迎ですが、なにか裏があるのではと勘ぐりたくなるような「政策一新」のように見えますが……”裏”というわけではなさそうですが、安倍政権を継承すると公言した菅政権で、もともと「環境への意識」は既定路線だったようです。しかもそれは、新機軸というよりは国際的な外圧で仕方なく……といったふうでもあります。

 それでも、これらの動向は本紙として歓迎すべき新機軸であり、とくに『気候変動×防災』戦略は、「気候変動×防災の主流化」、「自助・共助の意識を持って自宅、職場、地域の災害リスクを認識し防災意識の向上を促す」、「地域や職場で防災の知識や行動を共有する活動に取り組み、コミュニティや企業を災害に強くする」などとうたっていて、まさに「防災士の活躍に期待する」とでも言いたげと受けとめました。
 防災士の活動モットーとしても、『気候変動×防災』を掲げたいところです。

●『稲むらの火』のトーチを次世代にリレーする

 前号の「津波防災の日」、そして「稲むらの火」の濱口梧陵生誕200年に関連して、伊藤和明先生からご寄稿をいただきました。
 また、伊藤先生からの情報ご提供で「濱口梧陵生誕200年記念 みらクルTV交流会」もオンライン取材させていただきました。伊藤先生は以前、防災教材としての「稲むらの火」について、「稲むらの火が多くの人の心に灯されることを期待したい」と話されていたことが印象に残っていて、そうしたニュアンスでの取材まとめにしています。
 ぜひ同交流会の様子(YouTube)をご覧ください。
>>みらクルTV:「濱口梧陵翁生誕200年」交流会(YouTube)

*本紙P. 2掲載の「日本で最初のCEDシンポジウム」のちらし説明で「CED」の説明記載が漏れました。「CED」は「気候非常事態宣言」で、Climate Emergency Declarationの頭文字です。

   (M. T. 記)


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