BOSAI+ TWEETS & TIPS

■Tweets & Tips/

 このページでは、防災ニュースレター《Bosai Plus》が発行・配信された時点で購読者に向けたダウンロード・サイトのご案内メール内に記載された本紙・編集発行人(M. T.=高嶋三男)による「時事雑感:Tweets & Tips」を収録しています。
 ”Tweets”は、英語ではツイッターなどの「つぶやき」、”Tips”は「気の利いたアイデア」といった意味です。気が利いているかどうかはともかく、この雑感から、発行時点での防災動向がうかがえるかと思います。

 以下、掲載順は、直近号から既刊号へ遡っています(各号の P. 1 画像へのリンク付き)



No. 336~直近号 ⇒工事中!


▼《Bosai Plus》 No. 335/2024年08月01日号より(同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

●助成金・補助金・給付金の用語の違い、ちゃんとあります!

 助成金・補助金・給付金……いずれも国や自治体から交付されるお金で、借入や融資とは異なり返済が不要なお金です。似たような用語ですので、曖昧に使ってしまいそうですが、それぞれ違いがあるそうです。

 ざっくり言えば、「助成金」は人間(従業員)に対して支払われるお金、「給付金」は損失などの事態に対して支給される補填金。そして「補助金」は事業経費に対して補助される支援金とのことだそうです。

 ですから、本号巻頭企画の耐震改修やブロック塀の除去、老朽家屋の廃棄などへの支援金は、防災・減災に向けた個人の「事業経費」ということになり、自治体に申請することで「補助金」の対象となります。

 本号では、巻頭企画のほかに、自治体が提供する災害からの危険回避に向けた「ホテル・旅館避難利用支援」(P. 3)や、東京都の帰宅困難者受け入れ(民間一時滞在施設)支援制度(P. 3 囲み記事)、さらに日本建築防災協会の「耐震支援ポータルサイト」(P. 4 囲み記事)など公的支援情報を集めてみました。

●木造住宅の地震後の安全チェックは、動物的嗅覚も駆使!

 P. 4の「あたなにもできる木造住宅安全チェック」は、国土交通省「木造住宅の地震後の安全チェック方法を作成しました!」という広報に基づくものです。
 「木造住宅の地震後の安全チェック~この家、住み続けていいのかな?」と題されたパンフでは、大地震後の木造戸建て住宅の安全性について「居住者が自身で住宅の状況をチェックのうえ、そのまま住み続けてよいか、専門家に相談したほうがよいかを判定する方法を整理」したとのことですが、”安全情報”になっていないか、ちょっと心配。

 というのも、同広報文には「地震で大きな揺れのあった地域ではそのまま住み続けることができるかどうかを、一般の方が判定することは困難です」とわざわざ言及しながらも、パンフでは、素人の目視結果で「目立つ損傷がない」が続けば「総合判定」で「このまま住み続けて大丈夫です」となってしまっている――

 要は、安全情報は拒否! 五感を駆使、危険を嗅ぎつける動物的嗅覚をもって自ら”総合判定”することにしましょう。

  《Bosai Plus》 高嶋 三男


▼《Bosai Plus》 No. 334/2024年07月15日号より(同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

*《Bosai Plus》は2024年4月1日号からフリーペーパーとなりました!

●「こどもの居場所づくり」は人権保護としての目玉政策

 世界的に見れば日本は平和で安全で、経済力は陰りは見えるもののまだまだ強く、豊かで、医療・衛生環境も比較的整っている国だと誇れると思うのですが、いっぽう、世界経済フォーラムの世界の男女格差の状況をまとめた「ジェンダーギャップ報告書」の最新版で、日本は調査対象となった146カ国のうち118位、主要7カ国(G7)では最下位……

 厚生労働省の「自殺対策白書」によれば、10代の死因の国際比較で日本は死因の1位が自殺で、G7の先進諸国に比べて高い水準、ユニセフの先進国の子どもの幸福度に関する報告書によると、日本は死亡率や肥満率による「身体的健康」は38カ国中1位であるにも関わらず、「精神的幸福度」では日本の子どもの「精神的幸福度」は38カ国中37位!……

 厚生労働省が3年に1度公表する「子どもの貧困率」では日本の子ども(17歳以下)の7人に1人が貧困状態。実数で言うと、日本の17歳以下の人口は約1890万人なので約255万人=大阪市の人口とほぼ同じ子どもたちが貧困状態だと……

 わが国の経済力の陰りが目立つなかで、内側からのこのような暗澹たる実態に国もさすがに焦っているのでしょう、大きくは深刻化する少子高齢化対策の一環として「こども家庭庁」が昨年4月1日に発足し、早速「こどもの居場所づくり」が目玉政策として登場しました。
 しかし、ジェンダーギャップにしても子どもの生活環境悪化も、本来は人権の問題のはずなのですが、国の目玉政策はどうも最終的には経済成長のため?……と邪推してしまいます。

 国が動く前に、NPO、ボランティアはすでに子どもたちの”居場所づくり”のために草の根で活動してきました。「むすびえ」の日常活動家をこども家庭庁担当大臣に!というのは極論でしょうか。
 いっぽう、防災士は30万人(資格取得者累計)時代――グループあるいは個人として多様な分野で活躍する防災士も、地域防災活動の幅を社会福祉・児童福祉分野へと、さらに広げる可能性も醸成されつつあるようです。

  《Bosai Plus》 高嶋 三男


*《Bosai Plus》は2024年4月1日号からフリーペーパーとなりました!
 

▼《Bosai Plus》 No. 333/2024年07月01日号より(同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

●本号巻頭企画は「震災伝承」活動への継続・持続不安について

 巻頭企画で「東日本大震災を伝承する団体の91%が継続性の不安を抱えている」という3.11メモリアルネットワークの調査結果を取り上げました。この調査は、震災学習実施団体と伝承施設運営組織を対象としたもので、およそ50の団体・施設にのぼります。

 災害教訓「伝承」の大切さは言うまでもありませんが、いかなる”志”においても持続・継続の課題はつきまとうものでしょう。各団体・組織が、初心を大切に、創意工夫をもって乗り越えていただきたいと願っています。

 わが《Bosai Plus》も14年間続けていますが、まさに「継続は力」、近年はその資料的側面からの価値も認めてくださる読者もおられます。本巻頭企画末尾に掲載の「災害教訓伝承施設の“おさらい”」はその一端ですので、ご活用いただければと思います。

 東日本大震災の災害教訓伝承で思い出しましたが、東北大災害科学国際研究所の今村文彦所長が代表・呼びかけ人となって、東日本大震災が発生した3月11日を「防災教育と災害伝承の日」に制定しようと賛同者の募集を始めているという記事を本紙2021年3月1日号(No. 253)で取り上げています。
【防災プラス】3.11「防災教育と災害伝承の日」制定へ

 その後の動きをフォローしていなかったのですが、3年を経てこの”運動”はどういう展開・状況になっているのか、今村先生に問い合わせてみようかと思っています。
 いずれにしても、志の持続・継続はなかなかむずかしいものですが……

●防災士功労者表彰者に女性(団体/個人)がいない……

 「防災に女性の視点を」は本紙が掲げるモットーのひとつですが、本年の日本防災士機構主催の防災士功労者表彰に女性(団体・個人)がいなかったことに落胆しました(本紙 P. 5)。
 同表彰が始まって7年、毎年、女性(団体/個人)の表彰があり、さすが日本防災士機構、防災における男女共同参画の先進事例となっていると思っていました。いえ、機構はむしろ、女性防災士(団体/個人)のノミネート数をこれからさらに増やしていくのではないかと期待していました。

 防災士は誕生以来累計で30万を数えるほどに普及しました。今日、いろいろな防災士が、日本防災士会に所属してはもとより、個人として、あるいはグループで、それこそゲリラ的(遊軍的)に各地・各所でいろいろなかたちで活動されています。

 今回の女性功労者ゼロという選考結果をきっかけに、防災士功労者の選考のあり方について開けた議論を期待したいと思っています。

●訃報 橋本 茂さん

 本紙として異例の「訃報」(P. 6)を掲載しました。防災を通じてそれだけの縁(えにし)を結ばせていただいた橋本さんでした。改めて、合掌……

  (M. T. 記)


*《Bosai Plus》は2024年4月1日号からフリーペーパーとなりました!

▼《Bosai Plus》 No. 332/2024年06月15日号より(同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

●水災害の季節到来? 一説には梅雨入りが遅いと大雨が……

 本号巻頭企画は「水災害の季節」――本文でも触れましたが、沖縄と南九州を除くと、全般的には梅雨入りが遅れる予想です。
 ただ、梅雨入りが遅れると、梅雨入り早々に大雨になるという専門家の予想がありますので、要注意。

 地球温暖化の影響を否定できない年々の気象災害の激甚化傾向がみられます。
 災害激甚化と言いますが、人の生活・居住空間が災害に脆弱だから災害になるわけで、河川氾濫や土砂災害から逃れるには、そのリスクを避けること、浸水・がけ崩れ想定区域に住まないことがもっとも「確かな防災」のはずです。
 本紙はこれまで何度も取り上げてきましたが、水災害の抜本的な減災対策は、そもそも浸水想定区域に住む人をなくすることに尽きます。

 それが非現実的だと言うのであれば、地震防災については家屋の耐震化「耐震基準」が有力な対策となっているように、水災害に対して浸水リスクのある地域では「耐水基準」を設けることを検討すべきではないでしょうか。

 本紙は2020年12月15日号(No. 248)で国土交通省の「中長期の自然災害リスクに関する分析結果」を取り上げています。
【防災プラス】中長期自然災害リスク ここに住むなら…

 これは同省の「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト~いのちとくらしをまもる防災減災~」の取組みの一環として、中長期的な視点で災害リスクに対する適切な土地利用を検討するため、都道府県別の災害リスクエリア内の人口(2015年〜2050年)の推移を分析したもので、分析結果を同省は次のように説明していました。

 「日本全国の災害リスクエリア内人口は2015年から2050年までに約1416万人減少するものの、総人口に対する割合としては、15年の67.7%から約2.8%増加する結果となり、都道府県別にみても複数の都道府県で同様の傾向が見られる結果となった。
 洪水や土砂災害、地震、津波の被害にあう恐れが高い「災害リスクエリア」に居住する人口の割合は、2050年には70.5%に達する。ちなみに災害ごとの被災人口割合は、地震58.9%、洪水30.5%、津波5.9%」……
国土交通省:都道府県別の災害リスクエリアに居住する人口について

●2015年版「土地白書」に「水災害のリスクと不動産情報」の萌芽が

 本紙も創刊14年目に入って、過去のアーカイブが”資料・史料”として活きてくるようになりました。
 本紙2015年06月15日号(No. 116)「土地白書、環境白書に見る防災」で「不動産取引について、法令制限やハザードマップ、過去の土地利用や災害履歴など、売主も把握していない物件周辺情報が、さまざまな機関や媒体に分散していて、消費者に十分な情報を提供することがむずかしい現状にあることから、国土交通省でこれら情報を効率的に集約し、一覧性をもって宅地建物取引業者に提供するシステム(「不動産総合データベース」)を導入するための検討を行っている……」と紹介しました。
【防災プラス】土地白書、環境白書に見る「防災」

 これが本号で取り上げた国土交通省「水災害リスクコミュニケーションポータルサイト」の「水災害のリスクと不動産情報」のデータベースに結実したものでしょうね。
 国も、着実に防災・減災の歩みを進めていますが……”ブレイクスルー”まではなかなか……政治決断が求められるようです。

  (M. T. 記)


*《Bosai Plus》は2024年4月1日号からフリーペーパーとなりました!

▼《Bosai Plus》 No. 331/2024年06月01日号より(同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

●石川県創造的復興プラン(仮称)案の”読み解き”

 令和6年能登半島地震は、みんなが「おめでとうございます」と正月元日の挨拶中に発災という私たちの日常性のなかで極めて不条理な災害であったいっぽう、ここ数年、この地域では規模の大きな群発地震が続き、研究者もその原因の特定に奔走するなかで、という警告的な現象があったことも事実です。
 このように災害というものは足元に潜みつつ、私たちの正常化バイアスの不意を突いて起こるものなのでしょう。

 いっぽう、南海トラフ巨大地震のように繰り返し起こる災害の履歴の教訓として(最近話題の発生確率算出への”不信論”についてはともかく)、いずれ必ず起こることはほぼ確実と認識しながら、そしていったん起これば”日本沈没的な国難”となることが想定されながら、抜本的な防災・減災対策がなかなか進まないことも現実ではあります。

 石川県災害危機管理アドバイザーを3月まで務められた神戸大名誉教授の室崎益輝先生(日本防災士会理事長でもある)は復興プランの骨子段階で朝日新聞の取材に応えて(3月29日付け記事)、「能登半島の復興は、日本の離島や半島の地域づくりをこれからどうするか、という答えを示すことになります。一極集中から、自立分散型の国土に変える最初の取組みにするぐらいの姿勢を見せてほしい」と語っています。

 能登半島地震からの復興は、「石川県創造的復興プラン(仮称)」案で明文化されているように、”8がけ社会化”するわが国を先取りするような地域で起こった大災害からの復興でもあります。
 そういう能登であればこそ、復興プランは全国民が”わがこと”として関心を持つべき課題にも思えます。
 創造的復興プランの対象期間は石川県成長戦略の目標年次である2032(令和14)年度末までの9年間とされています。わが国で想定されている複数の近未来に起こり得る広域大規模災害を迎え撃つ「国土強靭化」先進事例となるか(することができるか)……注目です。

●「NIPPON防災資産」の認定制度 発足へ

 内閣府・国土交通省が災害教訓を伝承する良質な活動や施設などを「NIPPON防災資産」として認定する制度をつくります(本号P.5 囲み記事参照)。
 自然災害伝承碑の地図記号が発表されて5年、国土地理院のウェブ地図「地理院地図」への掲載が3月時点で全国2000基を超えたという記事を本紙5月1日発行号で掲載したばかりですが、また新たな災害教訓の普及・拡大に向けた「防災資産」の誕生となります。
 防災啓発・教育の地域活動で大いに活用したいものです。

  (M. T. 記)


▼《Bosai Plus》 No. 330/2024年05月15日号より(同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

【 重要なお知らせ 】

 《Bosai Plus》 購読配信料は2024年04月01日号より「無料」となりました(フリーペーパー化)。今後とも小紙をご愛読・ご支援たまわりますようお願い申し上げます。
 新たに《Bosai Plus》の無料配信をご希望の方は、その旨、メールにてお申込みのほどをお願い申し上げます。

【 新たに配信ご希望の方 申し込み要領 】
① 配信先Eメールアドレス
② お住まいの都道府県・市町村
③ 所属団体(任意)
④ 緊急的なお知らせの電話番号(任意)
⑤ 本紙を知ったきっかけ(任意)
⑥ 今後、ほしい防災関連情報について(任意)

 《Bosai Plus》 編集部


●「8がけ社会」問題は、身の丈に合わせれば解決?

 2014年5月に日本創成会議(座長:増田寛也氏)が全国の自治体に衝撃を与えた「消滅可能性都市」リストを発表してから10年、今回は主体を人口戦略会議(議長:三村明夫・日本製鉄名誉会長、副議長・増田寛也氏)に代えて、「令和6年・地方自治体『持続可能性』分析レポート―新たな地域別将来推計人口から分かる自治体の実情と課題― 」提言がとりまとめられました。
 改めて厳しい現実が突きつけられたと言えます。

 日本の未来の人口動態予測について、森知也・京都大学経済研究所教授が人口戦略会議のとりまとめ以上に衝撃的な予測――「100年後の2120年の日本は、人口が江戸時代レベルまで減り、都市は激減し、栄えるのは東京と福岡だけになる」――を発表しています。
朝日新聞:2120年、日本は人口3千万? 京都大学経済研究所教授・森知也さん(インタビュー)

 わが国が少子高齢化傾向にあることが問題とされたのは、何年前のことでしょう。30年前、40年前?……でも当時は、人口問題というのは地球規模の「人口爆発」のことではなかったでしょうか。
 「近い将来、石油が枯渇する」という予測もその頃ではなかったかと思いますが、石油は予測がはずれたいっぽう、人口問題はわが国では一転、”国のかたち”にかかわる大問題になってしまいました。

 ちなみに、経済産業省が最近「失われた30年」の状態が今後も続くと、2040年ごろには新興国に追いつかれる――という見通しを明らかにした、と報道にありました。半導体やバイオ医薬品の開発などに思い切って投資しないと、国が貧しくなって技術の発展も遅れ、世界と勝負できなくなるおそれがあると。

 経産省が言うのだから予算獲得狙いだろうと言うのは簡単ですが、経済成長一本やりでやってきたわが国の経済政策の推進中枢からこういう見方が出るのは、やはり日本経済の劣化状況が深刻だということではないでしょうか。
 じたばたしてもしようがない――”身の丈”に合った経済力、そのなかで日本らしい文化の保全、最善の福祉・防災への志が図られればいい……と思いますが、どうでしょう。

●防災も含めて、未来予測、いろいろ

 本紙は2018年1月15日号(No. 178)巻頭企画で「防災の未来年表『防災不可能性都市』続出?」との見出しで記事を起こしています。
《Bosai Plus》No. 178:防災の未来年表 「防災不可能性都市」続出?

 このなかで、2044年に「鹿児島市の桜島が、このころ大正噴火級の規模で噴火する」、2046年に「この年までに南海トラフ巨大地震が発生する(30年以内)」、2050年に「民間の国際ロボット救助隊が実現する」、2074年に「風速70m級のスーパー台風が、この年以降の14年間で12個発生する(現状の4倍)」、2074年に「この年までに米国のイエローストーン火山が噴火する(2016-74年)」、2099年に「伊勢湾台風(1959年9月)級の台風再来で、伊勢湾に8mを超える高潮が発生するようになる」……など、博報堂生活総合研究所の「未来年表」という“まとめ”サイトを紹介しています。

 また、野村総合研究所(NRI)も「NRI未来年表 2018-2100」を公開、2045年に「人工知能(AI)が人間の能力を追い抜く」、2053年に「日本の人口が1億人を割る」、2100年に「日本の人口が5972万人に」、「アフリカの人口が世界人口の40%に」などとしていることを紹介しています。ご参考まで。

  (M. T. 記)


▼《Bosai Plus》 No. 329/2024年05月01日号より(同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

【 重要なお知らせ 】

 《Bosai Plus》 購読配信料は2024年04月01日号より「無料」となりました(フリーペーパー化)。今後とも小紙をご愛読・ご支援たまわりますようお願い申し上げます。
 新たに《Bosai Plus》の無料配信をご希望の方は、その旨、メールにてお申込みのほどをお願い申し上げます。

【 新たに配信ご希望の方 申し込み要領 】
① 配信先Eメールアドレス
② お住まいの都道府県・市町村
③ 所属団体(任意)
④ 緊急的なお知らせの電話番号(任意)
⑤ 本紙を知ったきっかけ(任意)
⑥ 今後、ほしい防災関連情報について(任意)

 《Bosai Plus》 編集部


気象庁「震央分布」より

●台湾東部地震が思い起こさせる環太平洋造山帯

 4月3日発災の台湾東部地震は、日本の気象庁発表でM7.7と巨大なものでした。津波を伴ったため、沖縄地方には東日本大震災依頼の津波警報が出されました。

 近年、中国や北朝鮮との軋轢の関係で、地政学的・安全保障的な側面で台湾と日本、そして環太平洋・南太平洋諸国との関係が複雑になってきましたが、台湾東部地震はもうひとつの”環太平洋”を思い起こさせました。そう、環太平洋造山帯(地殻変動帯)との符合です。

 「造山運動」とは、大規模の褶曲山脈や弧状列島をつくり上げるような地殻変動を言い、「プレートテクトニクス説ではプレートとプレートのぶつかっているところ、プレートが他のプレートの下にもぐり込むところに生じる」とあります。

 朝日新聞4月6日付・土曜別刷り子ども向け小コラムに「ののちゃんのDO科学」がありますが、そこで「地球のプレートはなぜ動く?」という見出しの記事がありました。翌日、この記事について「訂正・おわび」がありました。

 6日付け記事のそのくだりを引用すると――
 ののちゃん ハワイが日本に近づいているって聞いたよ。
 先生 そうだね。国土地理院の調べによると、ここ数年は毎年約7cmずつ、近づいているんだって。ハワイが乗っている「太平洋プレート」が、日本の下でしずみこんでいるからだよ。
 (……プレートやマントルなどの説明を中略……)
 のの 早く日本からハワイに歩いていけるようになるといいな。
 先生 このままのペースでハワイが近づいても、日本と陸続きになるのは約8千年後だよ。
 のの ひや~。待てないよ。

 「訂正・おわび」は、日本とハワイが陸続きになるのが「約8千年後」とあるのは「約8千万年後」の誤りでした、というもの。
 8千年後、8千万年後……いずれにしても地球のダイナミズムと校正のむずかしさが伝わる「訂正」です。

●造山運動という発想に改めて「杞憂」を想う……日本列島自体が活断層!

 本年2月15日号(No. 324)配信時の本欄で、土木学会が2018年に公表した「巨大災害によるわが国の最貧国化」の可能性について改めて取り上げ、これは「杞憂」でしょうか、としました。その部分を再掲すると――

 杞憂とは、中国古代の杞の人が天が崩れ落ちてきはしないかと心配したという故事から「心配する必要のないことをあれこれ心配すること。取り越し苦労」の意味とあります。
 しかし、”天が崩れ落ちる”という表現はわが国では決して杞憂ではなく実際に起こった巨大災害のイメージではないでしょうか。

 造山運動への想像力からしてみれば、原発立地の活断層の有無など意味がないように思えます。日本列島そのものが巨大な活断層なのではありませんか!

●忙中閑話

時事通信:スイス、気候対策怠る 欧州人権裁が判断
(2024.04.09.)
 欧州人権裁判所(フランス)は、スイス政府が十分な気候変動対策を怠り「私生活・家族生活の尊重を受ける権利」を定めた欧州人権条約に違反したとの判断を示した。スイスの女性団体が訴えていた……

朝日新聞:米東部でM4.8 珍しい地震に米メディア大々的に速報
(2024.04.06.)
 米地質調査所(USGS)によると米東部ニュージャージー州で5日午前10時23分ごろM4.8の地震があった。震源はニューヨーク市から西に約70kmの同州ハンタードン郡周辺で震源の深さは約4.7km……

毎日新聞:夫婦同姓が続くと…2531年には「全員が佐藤さん」 東北大
(2024.04.01.)
 佐藤姓は2023年時点で日本人の人口の1.529%を占め、全国で第1位。2531年、日本人は全員「佐藤さん」になります――。東北大学高齢経済社会研究センターの吉田浩教授が、国内で最も多い「佐藤」姓の増加率と人口動態を分析し、そんなシミュレーション結果を公表した……

   (M. T. 記)


▼《Bosai Plus》 No. 328/2024年04月15日号より(同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

【 重要なお知らせ 】

 《Bosai Plus》 購読配信料は2024年04月01日号より「無料」となりました(フリーペーパー化)。今後とも小紙をご愛読・ご支援たまわりますようお願い申し上げます。
 新たに《Bosai Plus》の無料配信をご希望の方は、その旨、メールにてお申込みのほどをお願い申し上げます。

【 新たに配信ご希望の方 申し込み要領 】
① 配信先Eメールアドレス
② お住まいの都道府県・市町村
③ 所属団体(任意)
④ 緊急的なお知らせの電話番号(任意)
⑤ 本紙を知ったきっかけ(任意)
⑥ 今後、ほしい防災関連情報について(任意)

 《Bosai Plus》 編集部


台湾東部地震で半倒壊した10階建てビルの近くで救助活動を行う救急隊員たち

●台湾東部地震が思い起こさせる環太平洋造山帯

 4月3日発災の台湾東部地震は、日本の気象庁発表でM7.7と巨大なものでした。津波を伴ったため、沖縄地方には東日本大震災依頼の津波警報が出されました。

 近年、中国や北朝鮮との軋轢の関係で、地政学的・安全保障的な側面で台湾と日本、そして環太平洋・南太平洋諸国との関係が複雑になってきましたが、台湾東部地震はもうひとつの”環太平洋”を思い起こさせました。そう、環太平洋造山帯(地殻変動帯)との符合です。

 「造山運動」とは、大規模の褶曲山脈や弧状列島をつくり上げるような地殻変動を言い、「プレートテクトニクス説ではプレートとプレートのぶつかっているところ、プレートが他のプレートの下にもぐり込むところに生じる」とあります。

 朝日新聞4月6日付・土曜別刷り子ども向け小コラムに「ののちゃんのDO科学」がありますが、そこで「地球のプレートはなぜ動く?」という見出しの記事がありました。翌日、この記事について「訂正・おわび」がありました。

 6日付け記事のそのくだりを引用すると――
 ののちゃん ハワイが日本に近づいているって聞いたよ。
 先生 そうだね。国土地理院の調べによると、ここ数年は毎年約7cmずつ、近づいているんだって。ハワイが乗っている「太平洋プレート」が、日本の下でしずみこんでいるからだよ。
 (……プレートやマントルなどの説明を中略……)
 のの 早く日本からハワイに歩いていけるようになるといいな。
 先生 このままのペースでハワイが近づいても、日本と陸続きになるのは約8千年後だよ。
 のの ひや~。待てないよ。

 「訂正・おわび」は、日本とハワイが陸続きになるのが「約8千年後」とあるのは「約8千万年後」の誤りでした、というもの。
 8千年後、8千万年後……いずれにしても地球のダイナミズムと校正のむずかしさが伝わる「訂正」です。

●造山運動という発想に改めて「杞憂」を想う……日本列島自体が活断層!

 本年2月15日号(No. 324)配信時の本欄で、土木学会が2018年に公表した「巨大災害によるわが国の最貧国化」の可能性について改めて取り上げ、これは「杞憂」でしょうか、としました。その部分を再掲すると――

 杞憂とは、中国古代の杞の人が天が崩れ落ちてきはしないかと心配したという故事から「心配する必要のないことをあれこれ心配すること。取り越し苦労」の意味とあります。
 しかし、”天が崩れ落ちる”という表現はわが国では決して杞憂ではなく実際に起こった巨大災害のイメージではないでしょうか。

 造山運動への想像力からしてみれば、原発立地の活断層の有無など意味がないように思えます。日本列島そのものが巨大な活断層なのではありませんか!

●忙中閑話

時事通信:スイス、気候対策怠る 欧州人権裁が判断
(2024.04.09.)
 欧州人権裁判所(フランス)は、スイス政府が十分な気候変動対策を怠り「私生活・家族生活の尊重を受ける権利」を定めた欧州人権条約に違反したとの判断を示した。スイスの女性団体が訴えていた……

朝日新聞:米東部でM4.8 珍しい地震に米メディア大々的に速報
(2024.04.06.)
 米地質調査所(USGS)によると米東部ニュージャージー州で5日午前10時23分ごろM4.8の地震があった。震源はニューヨーク市から西に約70kmの同州ハンタードン郡周辺で震源の深さは約4.7km……

毎日新聞:夫婦同姓が続くと…2531年には「全員が佐藤さん」 東北大
(2024.04.01.)
 佐藤姓は2023年時点で日本人の人口の1.529%を占め、全国で第1位。2531年、日本人は全員「佐藤さん」になります――。東北大学高齢経済社会研究センターの吉田浩教授が、国内で最も多い「佐藤」姓の増加率と人口動態を分析し、そんなシミュレーション結果を公表した……

   (M. T. 記)


▼《Bosai Plus》 No. 327/2024年04月01日号より(同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

【 重要なお知らせ 】

 《Bosai Plus》 購読配信料は2024年04月01日号より「無料」となりました(フリーペーパー化)。今後とも小紙をご愛読・ご支援たまわりますようお願い申し上げます。
 新たに《Bosai Plus》の無料配信をご希望の方は、その旨、メールにてお申込みのほどをお願い申し上げます。

【 新たに配信ご希望の方 申し込み要領 】
① 配信先Eメールアドレス
② お住まいの都道府県・市町村
③ 所属団体(任意)
④ 緊急的なお知らせの電話番号(任意)
⑤ 本紙を知ったきっかけ(任意)
⑥ 今後、ほしい防災関連情報について(任意)

 《Bosai Plus》 編集部


「火山本部」4月1日発足

●本号の巻頭企画は「号内 特報」で……

 「号内 特報」とは本紙造語で、”号外”ではなく「”号内”の特報」の意味です。勝手な造語で恐縮ですが、4月1日、新年度の始まりということで、文部科学省に新たに設置される「火山調査研究推進本部」(以下、略称となる「火山本部」)の発足を本号内での”特報”としました。

 言うまでもなく、新設の「火山本部」は同じく文部科学省の”特別の機関”となっている「地震調査研究推進本部」(地震本部)と対(つい)になるものです。

 阪神・淡路大震災発災から間もない1995年7月18日、それまでの地震調査研究の成果が大震災に活かされなかった反省に基づき地震防災対策特別措置法が制定され、同法に基づいて地震本部が新設されました。
 地震本部は当初、総理府の下部機関として誕生しましたが、2001年1月6日に中央省庁再編が行われ、地震本部は総理府から文部科学省に移管されています。

 「火山本部」は2023年に改正された活動火山対策特別措置法に基づいて設置されましたが、その実現には、防災士養成講座でもおなじみの火山学者・藤井敏嗣さんをはじめとして、多くの防災有識者による国の火山調査研究専門機関設置を求める声が強く後押ししており、関係者の感慨は深いものがあると推察します。

 新設「火山本部」の動向については小紙も今後、「続報」としてアップデート情報を発信していく予定です。

●土木学会「脆弱性評価」をフォロー

 本号ではまた、土木学会の「巨大災害 脆弱性評価」の続報を取り上げました。
 うがった見方をすれば、土木学会は建築・土木業界と近いから、巨大災害の”脆弱性評価”といっても利益誘導型の研究ではないか……と邪推もし得ます。

 しかし、少子高齢化社会を迎えるわが国で、しかもわずかこの30年で阪神・淡路大震災、東日本大震災という大規模災害をはじめ毎年のように甚大な大雨洪水災害を経験したわが国では、今後、国土強靭化(この用語の印象が”ハード=コンクリート系”なのがマズイ?)ならぬ”しなやかでレジリエントな”列島を形成していかないと、まさに日本は没落・劣化するばかりではないでしょうか。

 いずれにしても、防災減災はわが国の最重要課題であり、為政者はすべからく「防災の主流化」をそのマニフェストに刻むべきだと思うのですが。

●忙中閑話 ――少し残念

朝日新聞:人新世、地質年代にならず 否決でも学会「広く使われ続ける概念」
(2024.03.23.)
 人類が地球環境を激変させた1950年代以降を「人新世」として新たな地質年代にする提案が、正式に否決された。今月初めまで国際地質科学連合(IUGS)の小委員会で投票が行われ反対多数となった……

   (M. T. 記)


▼《Bosai Plus》 No. 326/2024年03月15日号より(同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

【 大切なお知らせ 】
《Bosai Plus》 購読配信料の「無料化」(フリーペーパー化)につきまして

各 位

 いつも《Bosai Plus》をご愛読・ご支援たまわりまことにありがとうございます。

 さて、小紙定期購読料(年間24号・2400円)につきまして、本年(2024年)4月1日発行号より、ご購読・配信はすべて「無料」(フリーペーパー化)とさせていただくことをお知らせいたします。

 読者のみなさまからのご愛読・ご好評に励まされ、フリーペーパー化を機に、さらに多くの読者・防災関係者・報道機関等に《Bosai Plus》防災情報をお届けしたいという思いがあります。

 ”ボランティア”としての《Bosai Plus》発行となりますが、本紙といたしましてはこれまでと同様、誠心誠意、防災・減災の志を貫いて情報収集に努める所存です。
 ご賢察たまわり、今後とも小紙をご愛読・ご支援たまわりますようお願い申し上げます。

 なお、新たにフリーペーパー《Bosai Plus》配信ご希望の方は、その旨、メールにてお申込みのほどをお願い申し上げます。

【 新たに配信ご希望の方 申し込み要領 】
① 配信先Eメールアドレス
② お住まいの都道府県・市町村
③ 所属団体(任意)
④ 緊急的なお知らせの電話番号(任意)
⑤ 本紙を知ったきっかけ(任意)
⑥ 今後、ほしい防災関連情報について(任意)

 《Bosai Plus》 編集発行人 高嶋 三男 拝


●いま そこにある巨大災害の危機

 本号巻頭企画「いま そこにある巨大災害の危機」は、令和6年能登半島地震が1月1日元日、人びとが新年の挨拶をかわしているなかに発生するという、まさに自然災害の冷徹な不条理性を象徴的に示したことに触発された企画でした。

 そしてたまたま、土木学会が「巨大災害についての脆弱性評価」を2018年の「最貧国化」リスク公表に続く第2弾として3月14日に公表(中間報告=南海トラフ地震の分析は今回のとりまとめに間に合わず)、さらに、日本学術会議の公開シンポジウムが「人口減少社会と防災減災」をテーマにとりあげていることがありました。

 「いま そこにある巨大災害の危機」は災害多発国・日本の「国難」に通じるリスクであり、ある意味、「国防」と同義と言えるでしょう。
 果たしてわが国の防災体制はこうした巨大リスクに対応できるか、国民一人一人がまさに自分ごととして考えなければならないと思います。
 いま そこにある巨大災害の危機なのですから……

●速報

TBS NEWS:首都直下地震で日本経済に1000兆円超の被害か 土木学会が報告書公表 「政府は適切なインフラ投資で被害額減らせることを認識して」
(2024.03.14.)
 30年以内に70%の確率で発生すると言われている首都直下地震について土木学会は日本経済に1000兆円を上回る被害が生じるとする報告書を公表した。巨大地震や大規模な洪水・高潮について……

   (M. T. 記)


▼《Bosai Plus》 No. 325/2024年03月01日号より(同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

●「対口」は中国語で「ペア」を意味するのだそう……

 近年、「公助」の被災地支援でよく耳にする「対口(たいこう)支援」ですが、この「対口」、中国語で「ペア=英語の pair=対」の意味なのだそうです。
 初めてこの「対口支援」という用語を聞いたとき、日本語として違和感があったのですが、つい辞書を引くことまではしませんでした(mouth to mouth? 最近は「対ロシア支援」と間違えられそう)。

 本文で説明しましたが、「対口支援」は「大規模災害で被災した自治体と支援側の自治体がパートナーとなって各種の復興支援を実施するための手法」。これが中国語なのは、中国にその起源があるからです。
 中国では1970年代末から政府により行われていた被災地支援手法で、復興にあたって被災した市町村と、被災することなく経済発展を進めた市や省などをペアにして支援の責任を負わせることで、大きな成果を出した――
 これが日本で注目されるようになったのは2008年の四川大地震でのことで、この手法に学ぼうということでした(「支援の責任」までは負わせませんが)。

 「対口支援」は現在、わが国では「応急対策職員派遣制度」として制度化されていますが、こちらはいかにもお役所用語で、通称としては「対口」のほうが身近に感じられます。

●忙中閑話

国土交通省:道の歴史
 日本の道は日本人の社会・経済・生活・文化活動を支え、歴史的発展を遂げてきました。本ページは日本の道の歴史をたどり、各時代における道のあり方や道路制度、道路・交通政策について紹介……

MEDICAL TRIBUNE:日本人の76歳の健康度は世界の65歳の健康度に匹敵
(2019.03.27.)
 高齢化が社会に及ぼす影響を調べるためには、寿命だけではなく、加齢に関連する疾患や認知機能低下のインパクトを合わせて検討する必要がある……

   (M. T. 記)


 

▼《Bosai Plus》 No. 324/2024年02月15日号より(同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

●「巨大災害を迎え撃つ気概」⇔「意を決しての防災主流化」

 本号巻頭企画は、改めて「巨大災害によるわが国の最貧国化」の可能性について取り上げました。土木学会が2018年に公表した「技術検討報告書」で示されたことですが、これは「杞憂」でしょうか……
 杞憂とは、中国古代の杞の人が天が崩れ落ちてきはしないかと心配したという故事から「心配する必要のないことをあれこれ心配すること。取り越し苦労」の意味とあります。
 しかし、”天が崩れ落ちる”という表現はわが国では決して杞憂ではなく、実際に起こった巨大災害のイメージではないでしょうか。

 改めて確認しておくと、わが国は環太平洋火山帯に位置し、地震・火山・津波災害の多い国土で、急峻な地形から洪水も多発します(台風、大雨も)。
 日本の国土の面積は全世界のたった0.29%しかないにもかかわらず、全世界で起こったマグニチュード6以上の地震の18.5%が日本で起こり、全世界の活火山の7.1%が日本にあります。
 また、全世界で災害で死亡する人の1.5%が日本、全世界の災害で受けた被害金額の17.5%が日本の被害金額となっているそうです(総務省統計局「世界統計2022」)。

 土木学会の「技術検討報告書」によるわが国で想定される巨大災害の被害推計から、いったんこれが起これば国難、最貧国化は「杞憂」ではすまされないでしょう。

 本号ではこうした国難を想定して、あえて「巨大災害を迎え撃つ気概を」としました。
 国の「国土強靭化」という言葉のハード(堅い)イメージに対抗してレジリエント(しなやかな)防災という表現もありますが、能登半島地震の災中(渦中)にあって、原発問題も含めて、これからの防災・減災対策は「意を決しての防災主流化」を旨とすべきと考えた次第です。

●忙中閑話

警視庁警備部災害対策課(@MPD_bousai):「気象神社」お詣りをしてきました
(2024.02.05.)
 高円寺に「気象の神様」を祀っているとされている「気象神社」があります。祀られている御祭神は「晴、曇、雨、雪、雷、風、霜、霧」という八つの気象条件を司る「八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)」……

日経BP:日本、国家ブランド指数で初の世界トップ その希望と課題
(2024.01.18.)
 この記事の3つのポイント――2023年、日本のブランド指数(アンホルト・イプソス国家ブランド指数(NBI))が世界総合トップになった/米国、ドイツ以外の国がトップになるのは初めて/「この国がグローバルな経済リーダーだと思う」も総合2位……

外務省:女性・平和・安全保障(WPS)タスクフォースの立上げ
(2024.01.29.)
 上川陽子外務大臣の下、省内横断的な連携を目的とした女性・平和・安全保障(WPS:Women, Peace and Security)タスクフォースを設置……
(本紙所感)上川陽子外務大臣について”麻生発言”関連の話題がにぎやかですが、メディアは同時期に彼女が外務省で立ち上げた「女性・平和・安全保障(WPS)タスクフォース」に注目してほしい。WPSは「女性や女児の保護や救済に加え、女性自身が指導的な立場に立って紛争の予防や災害復興・平和構築に参画することでより持続可能な平和に近づくことができる……」という趣旨の国際的な取組み。自民党を超越する時期首相候補になり得るビジョンをお持ちと思いますが、いかが。

北國新聞:石川と福井、大きさ逆転? 地震で海岸線隆起
(2024.01.20.)
 能登半島地震により珠洲市から志賀町にかけての海岸線が隆起したことで石川県の大きさが一時的に福井県を上回った可能性があることが関係者への取材で分かった。国土地理院によると昨年10月1日時点……

望月衣塑子:映画「福田村」が、日本アカデミー賞の作品・監督・脚本賞の三冠に
 関東大震災での大虐殺から100年の昨年2023年に映画「福田村」が日本アカデミー賞の作品・監督・脚本賞の三冠に……

   (M. T. 記)


永野海弁護士作成の「被災者支援カード(災害後の9つの支援制度)」より

 

▼《Bosai Plus》 No. 323/2024年02月01日号より(同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

●令和6年能登半島地震「続々報」――施政方針演説 雑感

 国会で岸田文雄首相の施政方針演説が1月30日に行われ、冒頭、能登半島地震への対応が述べられました。
 その評価は報道メディアそれぞれですが、本紙が耳をそばだてたのは、「過去の災害対応に比べて、新しい取り組みがいくつも生まれており、強く印象付けられました」あたりから――

 「断水していても使える温水シャワーが避難者の疲れを癒やし活躍しています。生活用水を循環濾過し、再利用する技術をもつスタートアップ企業が持ち込んでくれました。アフリカや中東で展開している事業の逆輸入です。停電・断水でも使用可能なトイレトレーラーも全国から届けられました」とか……

 あるいは――
 「孤立集落での自衛隊の救助活動と連携した医薬品のドローン配送、立ち入り困難な現場の上空からの被災状況調査、無線中継ドローンによる携帯回線の応急復旧等、本格的なドローンによる災害対応が行われています」とか……

 そして――
 「これらに共通しているのは、日本人の伝統的な強みである『絆の力』がデジタル、スタートアップ、新たな官民連携、資源循環など新しい要素と組み合わされてパワーアップし、日本の新たな力となっている姿です」のくだり、など……

 いえ、あえて首相の上げ足を取るつもりはありませんが、確かに防災DXへの取り組みなどは現政権が訴えたいところかもしれませんし、そうした成果も防災DXの”スタートアップ”としても高く評価できることでしょう。

 しかし、このたびの大災害の”さなか=災中”にあって、「過去の災害対応に比べて、新しい取り組み」であるならばもっと抜本的・本質的な取り組みへの”火の玉”となっての決意を聞きたい、と思ったのは本紙だけでしょうか。

 そう、本号で取り上げた東日本大震災の深甚な教訓を踏まえた「防災対策推進検討会議」の最終報告にある「災害から国民を守り、国を守ることは政治の究極の責任」との“宣言”。さらに災害の脅威と向き合うことは「軍事的・人為的な脅威から国や国民を守ることに決してひけをとらない、国家の重大関心事項」という“為政者の覚悟の表明”への回帰と、新たな大規模災害への対策・対峙です。

 さらなる大規模災害は近い将来必ず起こるでしょう。高齢化・人口減少時代、それらは経済政策以上にわが国の盛衰に直接影響を与え得ます――為政者たるもの、50年後、100年後(次世代)を見据えた防災のあり方=ビジョン・理念を語ってほしいと思った次第です。
 いまは(政局)それどころではない、か。

●齋藤徳美先生からご寄稿

 齋藤徳美先生からご寄稿をいただきました。志賀原発へのご見解、わが意を得たり!デシタ。今後も折々のご寄稿、お待ちしております。

●もうひとつ関連情報

朝日新聞:「初動に人災」「阪神の教訓ゼロ」 能登入りした防災学者の告白
(2024.01.14.)
 初動に人災の要素もある――。防災研究の第一人者で、石川県の災害危機管理アドバイザーも務めてきた神戸大名誉教授の室崎益輝さん(79)は、能登半島地震の初動対応の遅れを痛感しています。自戒の念もこめて、今、伝えたいこととは……

(室﨑先生は日本防災士会の理事長です)
日本防災士会:理事長声明文と「第1回支援対策部会」報告

   (M. T. 記)


志賀原発-「PAZ・UPZの位置」

▼《Bosai Plus》 No. 322/2024年01月15日号より(同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

●「令和6年能登半島地震」続報

 本号巻頭企画は「令和6年能登半島地震」続報です。
 元日発災から2週間を経過していまだ”災中”、大震災の様相を呈しています。
 テレビ報道である被災者の方が「年賀の挨拶中の大地震で、言葉もない」と話していました。胸中察するに余りあります。

 被害概要の数値などは毎日更新され、バイマンスリー(月2回)発行の本紙では追いつけませんので、視点を変えて「避難」を取り上げました。

 本文で取り上げた「一人ひとりが大事にされる災害復興法をつくる会」の広域避難提言は災害関連死を防ぐ意味で大変重要です。同会は「災害ケースマネジメント」(被災者を個別支援して生活再建につなげる取組み)の制度化を提唱するグループでもあります。

 ただ、広域避難には、一時的でも家族の分断につながる側面や、地方では復旧に向けたご近所との共助の分断という側面もあり、理窟どおりにいかないこともあるようです。
 今回の震災でも、受験期の子女、中高生の”疎開”が図られていますが、「父母と一緒に被災した家を片づけたいから、イヤ」という健気な中高生もいて胸が熱くなります。

●地殻変動の隆起でできた能登半島に志賀原発 珠洲原発計画もあった!

 いっぽう、能登半島地震のインフラ被害として道路損壊や土砂崩れによる交通途絶、孤立集落発生の問題もあり、即、避難困難に通じます。
 志賀原発が立地する志賀町(しかまち)で震度7と聞き、原発事故の心配をした向きは原発施設関係者だけではなかったと思います。本紙もそうでした。

 原子力防災を担う伊藤信太郎環境大臣が1月9日の閣議後会見で、今回の震災を原子力発電所事故時の避難対応での「検討課題としたい」と述べたと報道にありました。
 震度7から10日も経ってからの原発管掌大臣の事故可能性への言及は、そっけなさすぎませんか? あるいはメディアが無関心?

 さらに、志賀原発近辺での震度7は、半世紀ほど前の珠洲(すず)原発建設計画を改めて掘り起こしたようです。いまでこそ群発地震の中心地となっている珠洲市、そこに原発をつくろうという計画があった!
 本号巻頭企画の大見出しを「原発もうムリ!」としたワケをご理解いただけたと思います。

●能登半島地震勃発でボツになった本紙巻頭企画……

 昨年(2023年)は関東大震災から「100年」でしたが、本紙は当初、新年号(1月1日号)企画案キーワードを「関東大震災から101年」とする予定でした。

 本号・1月15日号は、阪神・淡路大震災から29年の周年を目前に、改めて東日本大震災での福島原発事故を想起しました。能登半島地震は地震規模(M)が7.6と阪神・淡路のM7.3を上回り、その被害様相はまさに“大震災レベル”(+津波被害)となっています。

 改めて、自然災害の多いわが国の防災を考えるにあたり、根底から「災害犠牲者ゼロ」の意味・意義を考えていきたいと思っています。

   (M. T. 記)


2024年1月1日16時10分頃の石川県能登地方の地震(気象庁資料より)

▼《Bosai Plus》 No. 321/2024年01月01日号より(同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

●謹賀新年

 明けましておめでとうございます。
 波乱の年明けになりましたが、本年もよろしくお願い申し上げます。

●年明け元日の大災害勃発で、本号企画構成を大幅変更

 昨年末の最終号のこの欄で「次号は1月4日配信」を書き忘れました。
 本号は1月4日配信ということで、年末年始はレギュラーの新年号を余裕をもって本号を準備していたのですが、なんと元日夕刻に能登半島地震発災! 
 新年号のトップは通常「謹賀新年」ご挨拶ですがこれを「P. 4」へ移し、急遽、この大災害を[速報]のかたちで巻頭3ページで取り上げることにしました。

 思えば東日本大震災も3月11日の発災で、本紙刊行日(15日)の4日前(実質3日前)の大災害勃発。このときも用意していた企画を全面撤回し、大震災特別記事を”不眠不休”で作成して定期発行にこぎつけ、さらに臨時増刊号も発行しました。

 今回の能登半島地震は、2018年ごろから5年間も続くいかにもやっかいな群発地震の大暴発でもあり、被災地のみなさまの苦難・不安は筆舌に尽くしがたいものがあるものと察します。
 犠牲になられた方の無念に思いをいたし哀悼の意を表しますとともに、ご家族のみなさまにお悔やみを申し上げます。

 被災住民のみなさま、まずは多くの国民が陰ながらこころを一(いつ)にして共感・激励していることを信じて、災害という不条理を乗り越えていただきたいと思います。
 また、これから被災地の支援も本格化すると思いますが、プロの救助・救援隊をはじめ支援ボランティアも、余震の大揺れ、さらには再び起こるかもしれない津波への警戒などを怠りなく、安全第一で活動されますよう祈っています。

 本紙としては、防災・減災そして被災地支援のための情報提供を通じて「公助・共助・自助」を励まし支援することで、微力ながら防災メディアとしての役割を果たせればと思っています。
 災害と事故で明けた年であればこそ――お互い「備えつつ」いい年にしようではありませんか。

   (M. T. 記)