《Bosai Plus》2026年09月01日号(No. 385)

上画像:本紙が創刊した2010年9月1日以降、わが国で発生した主な災害を列記してみた。「防災プラス」創刊の動機は、阪神・淡路大震災以来、日本列島が地震活動期に入ったという知見や、地球温暖化による異常気象・大雨災害の頻発傾向、そのいっぽうで防災士制度・防災士への認知度・信認性の進展があった。そして創刊から7カ月で東日本大災害という千年に一度の稀有な大災害の洗礼を受けたことで、本紙の志は揺るぎないものとなり、ゴールを見つめ、めざし、歩む……

5月は「水防月間」〜流域治水の「自分ごと化」を~

 国土交通省では毎年5月(北海道は6月)を「水防月間」と定めている。気候変動の影響により頻発・激甚化する自然災害に対し、流域全体を俯瞰し、あらゆる関係者が協働して治水対策に取り組む「流域治水」の実効性を高める重要な取組みの一つとなる。また、出水期=梅雨や台風の時期を迎えるにあたり、国民一人ひとりが水防の意義と重要性について理解を深められるよう、防災・減災の取組みの一環としてこの期間、全国各地域で総合水防演習などの水防訓練や水防団などと河川管理者による共同巡視ほか、様々な取組みが行われる……

《関東大震災100年 特別構成 1》災害周年に甦る災害教訓

 私たちは大災害の教訓を振り返るために「周年」ごとに、その記憶を思い返し、教訓を継承すべく努力を積み重ねてきた。「災害周年」とは、その意味において、決して一過性の暦上の記念日ではなく、自然災害を思い起こし、その教訓を検(あらた)め、新たな防災意識の継承と更新の日として銘記されるべき日、あるいは年となる……

防災100年 えほんプロジェクト 始動

 ひょうご安全の日推進県民会議を事業主体とする「防災100年 えほんプロジェクト」が今秋立ち上がっている。2022年に創設20周年を迎えた阪神・淡路大震災記念「人と防災未来センター」(神戸市)を中心とする「防災絵本100年計画事業」第1期(2022・23年度)の絵本制作等業務の一環で、「災害語り継ぎ」のための防災絵本を創作し、アンデルセンやグリム童話集に匹敵する絵本集として世界に発信するため、各国語に翻訳された数百冊からなる防災絵本集を100年継続させて制作していくことが目標だ……

22 秋の大規模災害への備え – 訓練と啓発と

 2011年3月11日に発生した東日本大震災の大津波災害を教訓として、同年6月に津波対策を総合的に推進することを目的とした「津波対策の推進に関する法律」が制定され、その中で、国民の間に広く津波対策についての理解と関心を深めるために、11月5日を「津波防災の日」とすることが定められた。  11月5日(旧暦)は、安政元年(1854年)に、「稲むらの火」のモデルとなった安政南海地震が発生した日で、さらに、2015年の国連総会では11月5日を「世界津波の日」とすることが採択され、津波防災の新たな取組みが国際的に始まっている……

「RISCON2022」リポート & 予告「東京国際消防展2023」

 危機管理をテーマにした総合トレードショー「危機管理産業展 2022(RISCON TOKYO 2022/SEECAT‘22)」が、10月5日から7日の3日間、東京ビッグサイト西1・2ホールで開催された(主催:株式会社東京ビッグサイト、特別協力:東京都)。同展は危機管理分野を横断的に網羅した国内唯一・最大級の「危機管理総合トレードショー」として2005年から毎年開催、今回が18回目で、国・地方自治体、重要インフラや商業施設、学校・病院、製造業など、多様な業界・業態の垣根を超えて、質の高い危機管理情報の交流・交換・商談の場となっている……

「人防」開設20年&「ぼうさいこくたい2022」

 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構が管理運営する「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」(英語名:Disaster Reduction and Human Renovation Institution=略称「DRI」。以下、「人防(ひとぼう)」)が、2002年4月に神戸市中央区(HAT神戸地区)に開設されてから今年で20年となる(公式の開設日は4月27日)。「人防」は、阪神・淡路大震災から得た貴重な教訓を世界共有の財産として後世に継承し、国内外の地震災害による被害軽減に貢献すること、および生命の尊さ共生の大切さを世界に発信することを目的に設立された……

「災害を語り継ぐ」 語り部のリアル防災

 先ごろ、宮城県石巻市の東日本大震災遺構「門脇小学校」で、語り部の体験をもとに津波からの避難を自分ごととして考える『ツナミリアル』の体験会が開かれた。『ツナミリアル』とは、一般社団法人石巻震災伝承の会が東北大学災害科学国際研究所・佐藤翔輔准教授(災害情報学)の指導のもとで開発した、語り部の体験を共有する新しい「疑似体験型」防災学習プログラムだという。語り部が語る被災体験とその教訓を踏まえて、聞き手が「語り部の立場になったとき、どんな危険が考えられるか」「自分なら今後どう防災に取り組んでいくか」を考えようというものだ……

東日本大震災 災害教訓の伝承施設への旅

 宮城県南三陸町に震災伝承ラーニング施設「南三陸311メモリアル」が、2022年10月1日、開館する。これを機に、東日本大震災の災害教訓伝承施設を“おさらい”したい。  「南三陸311メモリアル」ではそのオープンに先立ち、8月10日から日時指定の予約が可能なオンラインチケットの販売が始まっている。チケットが不要のフリースペースとチケット購入が必要な展示ギャラリー、アートゾーン、ラーニングシアターがある……

【東日本大震災から11年】 東北復興へ“新しい力”再起を促す草の根の“情動”

 全国で関連死を含む死者・行方不明者2万2207人を出した東日本大震災から、3月11日で11年となった。国は今年度からの5年間を「第2期復興・創生期間」とし、復興庁の予算は、風評被害対策を含めた原子力災害からの復興・再生に軸足を移し、約8割は原発事故被災地の支援や被災者の心のケアにあてられる……

防災地下神殿に“詣でる” 防災インフラツーリズム

 埼玉県春日部市にある「首都圏外郭放水路」と言えば、首都圏を水害から守る日本が世界に誇る防災施設で、インフラツーリズムの一拠点としても注目されている。その基幹施設のひとつである「調圧水槽」は、地下空間に巨大な柱が59本立ち並ぶ神殿を思わせ、「防災地下神殿」の異名でも知られ、映画のロケ地としても活用されるなど人気を博している。  「防災地下神殿」の威容は写真等で見た人も多いだろう。また、防災関係者ですでに見学に訪れた向きは少なくないだろう。ただ、同施設は埼玉県・春日部駅から車で約20分の場所に位置しているものの、公共交通機関で訪れるにはアクセスに課題があった。それがぐんと便利になりそうだ……

「温故創新」第3回 令和防災研シンポジウム

 一般社団法人令和防災研究所(所長:青山 佾(やすし)・明治大学名誉教授)による第3回シンポジウム「これからの地域防災の知恵~『温故創新』」が去る9月23日、リアル会場(申込み先着50名限定)を御茶ノ水ソラシティとして、またYouTubeオンライン・ライブ配信により開催された。  同シンポジウム開催趣旨は、「気候変動による激甚化、頻発化する水害、切迫する巨大地震に対し『温故創新』の発想が必要な時代」とし、「都市が自然の外力に対して劣勢になる時代が到来しつつある」ことから、ここで「いまいちど先人が培った知恵を発掘し、『温故』として学び直すことが重要」としている……