防災地下神殿に“詣でる” 防災インフラツーリズム

「首都圏外郭放水路(防災地下神殿)」見学の無料巡回バスを運行
 ~埼玉県・春日部駅東口発着

【「防災地下神殿」、“参拝(?)”しませんか… 】

●「 首都圏外郭放水路」へ無料巡回バス 2022年1月31日まで期間限定

 埼玉県春日部市にある「首都圏外郭放水路」と言えば、首都圏を水害から守る日本が世界に誇る防災施設で、インフラツーリズムの一拠点としても注目されている。その基幹施設のひとつである「調圧水槽」は、地下空間に巨大な柱が59本立ち並ぶ神殿を思わせ、「防災地下神殿」の異名でも知られ、映画のロケ地としても活用されるなど人気を博している。

首都圏の地底50mを流れる「首都圏外郭放水路」は、埼玉県春日部市にあり、日本が世界に誇る最先端の土木技術を結集して建設された世界最大級の地下河川だ。とりわけ“防災地下神殿”と称される調圧水槽の壮大なスケールが人気を集めており、ロケ地となるほか、米国をはじめ多くの海外メディアでも紹介され、国内外から多くの観光客が訪れている。この地下放水路が、浸水被害常襲地域だった春日部周辺地域を災害に強いまちに生まれ変わらせ、住民生活の安全・安心に貢献し、地域の経済成長を支える役割も担っているという
首都圏の地底50mを流れる「首都圏外郭放水路」は、埼玉県春日部市にあり、日本が世界に誇る最先端の土木技術を結集して建設された世界最大級の地下河川だ。とりわけ“防災地下神殿”と称される調圧水槽の壮大なスケールが人気を集めており、ロケ地となるほか、米国をはじめ多くの海外メディアでも紹介され、国内外から多くの観光客が訪れている。この地下放水路が、浸水被害常襲地域だった春日部周辺地域を災害に強いまちに生まれ変わらせ、住民生活の安全・安心に貢献し、地域の経済成長を支える役割も担っているという

 「防災地下神殿」の威容は写真等で見た人も多いだろう。また、防災関係者ですでに見学に訪れた向きは少なくないだろう。ただ、同施設は埼玉県・春日部駅から車で約20分の場所に位置しているものの、公共交通機関で訪れるにはアクセスに課題があった。それがぐんと便利になりそうだ。

 昨年末から本年年初、「首都圏外郭放水路」見学の新たなコースが設定され、同施設を観光資源として活用している首都圏外郭放水路利活用協議会や同施設見学会の企画運営の連携事業者である東武トップツアーズ、同施設への最寄り駅を有する東武鉄道の協力のもとで、巡回バス運行の実証実験が行われる。
 朝日自動車(バス)が、2021年12月1日から2022年1月31日までの期間限定で、「首都圏外郭放水路」へ無料巡回バスを運行。無料巡回バスは、春日部駅や道の駅「庄和」と「首都圏外郭放水路」を結び、毎日運行(一部日程を除く)する。

無料巡回バス時刻表
無料巡回バス時刻表

 また、より多くの見学者にアクセス向上の利便性やインフラツーリズムの魅力に触れてもらうため、無料モニターツアーも実施する。詳細は下記参照。

東武鉄道:首都圏外郭放水路 防災地下神殿への無料巡回バスを運行

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5つの立坑をつなぐ首都圏外郭放水路の全体構成図
――愛称は「彩龍の川」

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 わが国では基本的な治水対策として、「河川の流下能力を向上させる対策」(河道整備=築堤、河道掘削、樹木伐採など)、「流量を調節して水位を低下させる対策」(洪水調節施設=ダム、遊水地による洪水調節、放水路、地下放水路など)を行っている。その事例として特筆されるのが、国土交通省関東地方整備局江戸川河川事務所が整備する「首都圏外郭放水路」だ。「首都圏外郭放水路」は埼玉県春日部市に設けられている。

 首都圏では、低地で雨水がたまりやすいところで急激な都市化が進展し、洪水被害防止のための河川整備や下水道整備が追いつかないという地域が少なくない。以前は春日部市も浸水被害常襲地域だった。そんな同市の評価を180度変えさせたのが、国道16号の地底50mを全長6.3kmにわたって貫く世界最大級の地下放水路、「首都圏外郭放水路」だ。
 “彩龍の川”という愛称(公式)を持つこの大規模地下放水路の整備で、春日部市内の宅地浸水面積は約8割減、浸水戸数も約6割減と大幅に減少し、マンションなど着工件数が急増、企業立地も促進されたという。地下放水路が、春日部周辺地域を災害に強いまちに生まれ変わらせ、同時に地域の経済成長を支える役割を担った。

彩龍の川「首都圏外郭放水路」
彩龍の川「首都圏外郭放水路」
「首都圏外郭放水路」の全体構成図。その形状から“彩龍の川”の愛称も
「首都圏外郭放水路」の全体構成図。その形状から“彩龍の川”の愛称も
「首都圏外郭放水路」は雨水を大河川・江戸川に流す新たな地下河川だ
「首都圏外郭放水路」は雨水を大河川・江戸川に流す新たな地下河川だ

 「首都圏外郭放水路」は、大落古利根川(おおおとしふるとねがわ)、幸松川、倉松川、中川など、中川・綾瀬川流域の中小河川からあふれる水を立坑から地下に取り込み、地底50m、全長6.3kmの地下トンネルを通して江戸川に流す地下放水路だ。東京都内の地下調節池は複数の中小河川からあふれる水を地下構造物にいったん貯めて、中小河川の水位が戻った段階で戻すが、「首都圏外郭放水路」では、中小河川に雨水を戻すのではなく、大河川である江戸川に流す、新たな地下河川として機能する。

 「首都圏外郭放水路」による治水効果は大きく、2000年7月、中川・綾瀬川流域で160mmの雨量を記録した台風3号で浸水面積137ha、浸水戸数248戸と大きな被害を受けたが、放水路完成後の18年12月、低気圧の影響により172mmの雨量を記録したときには、浸水面積33ha、浸水戸数85戸と、被害を大幅に軽減した。

 「首都圏外郭放水路」は世界に誇る防災施設で、庄和排水機場内の学習・事業PR施設とともに、内外の見学者を受け入れるインフラツーリズムの拠点としても注目される。

国土交通省関東地方整備局江戸川河川事務所:首都圏外郭放水路

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神田川・環状七号線地下調節池――
「首都圏外郭放水路」と双方を回る見学ツアーにも期待

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 いっぽう、やはり洪水・内水氾濫からの巨大防災施設として取り上げられる「神田川・環状七号線地下調節池」は、東京都中野区・杉並区にある調節池で、東京都道318号環状七号線の地下に整備されている。延長4.5km。深さ40m前後。
 集中豪雨による洪水被害から東京都心部を守るために整備され、妙正寺川、善福寺川、神田川の3河川であふれた水を流入させる。2005年9月上旬に首都圏で発生した集中豪雨で一定の効果を発揮したことが知られる。

東京都の「神田川・環状七号線地下調水池」位置図より
東京都の「神田川・環状七号線地下調水池」位置図より
東京都の「神田川・環状七号線地下調水池」パンフレットより
東京都の「神田川・環状七号線地下調水池」パンフレットより

 2020年度に東武トップツアーズが「首都圏外郭放水路」と「神田川・環状七号線地下調節池」を回る見学ツアーを実施した。コロナ禍が収束すれば、両施設の同時見学が再開されることが期待される。

東京都建設局:神田川・環状七号線地下調節池


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