防災100年 えほんプロジェクト 始動

絵本の力で、災害文化の定着を 想像力こそ災害文化醸成の源
絵本の原案となる「ものがたり」を募集中――

クリエーターもプロ・アマ問わず公募します!

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●アンデルセンやグリム童話集に匹敵する絵本集をめざす
 災害に負けない生活習慣づくり(災害文化の定着)を企図
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 ひょうご安全の日推進県民会議を事業主体とする「防災100年 えほんプロジェクト」が今秋立ち上がっている。2022年に創設20周年を迎えた阪神・淡路大震災記念「人と防災未来センター」(神戸市)を中心とする「防災絵本100年計画事業」第1期(2022・23年度)の絵本制作等業務の一環で、「災害語り継ぎ」のための防災絵本を創作し、アンデルセンやグリム童話集に匹敵する絵本集として世界に発信するため、各国語に翻訳された数百冊からなる防災絵本集を100年継続させて制作していくことが目標だ。

「防災100年 えほんプロジェクト」が立ち上がった。「災害語り継ぎ」のための防災絵本を創作し、アンデルセンやグリム童話集に匹敵する絵本集として世界に発信するため、各国語に翻訳された数百冊からなる防災絵本集を100年継続させて制作していくことを目標とする一大プロジェクト。提唱者の河田惠昭・人と防災未来センター長は、「災害文化を身につけるための基本となる防災教育の手法として防災絵本を創作する」としている
「防災100年 えほんプロジェクト」が立ち上がった。「災害語り継ぎ」のための防災絵本を創作し、アンデルセンやグリム童話集に匹敵する絵本集として世界に発信するため、各国語に翻訳された数百冊からなる防災絵本集を100年継続させて制作していくことを目標とする一大プロジェクト。提唱者の河田惠昭・人と防災未来センター長は、「災害文化を身につけるための基本となる防災教育の手法として防災絵本を創作する」としている

 絵本制作の趣旨は、災害に負けない人びとの生活習慣づくり「( 災害文化」の定着)を企図するもので、2030年までは、SDGs(持続可能な開発目標) の一環として豊かな社会づくりをめざす活動として位置づけている。
 第1期の絵本制作等業務では、世界各国の幼児から高齢者まで広く各層の人びとに長く利用してもらえる防災絵本を制作していくために、その原案を阪神・淡路大震災から28年となる2023年1月17日まで募集し、入選作から選抜した作品を絵本化、2024年3月の刊行をめざす。さらに今後も、年1回原案を募集していく予定だ。

 「防災100年えほんプロジェクト」では現在、絵本の原案となる「ものがたり」を公募している。募集は2023年1月17日をエントリー締切りとしているが、締切り1カ月前である12月17日(11:00~12:00頃)に「ものがたり募集説明会」をオンライン開催する(ZOOM、参加無料、要申込み)。

防災100年えほんプロジェクト事務局:12月17日 オンライン説明会

 「防災100年 えほんプロジェクト」を提唱したのは、人と防災未来センター長である河田惠昭氏(かわた・よしあき、同プロジェクト提唱者・実行委員会会長)。公表資料によれば、その経緯は、2020年1月に神戸で開催した「2020世界災害語り継ぎフォーラム」の公開フォーラムで、河田氏が、「災害文化を身につけるための基本となる防災教育の手法として防災絵本を創作する」ことを提案したことにあるという。

 本紙は、去る10月1日号で人と防災未来センター(略称「人防」)開設20年を巻頭企画で取り上げ、人防について「防災・減災の世界的拠点に 阪神・淡路の教訓を発信」と見出しを付けた。また、同記事で河田氏の「人防」センター長就任時の思い入れについてのコメントを紹介した。今回のプロジェクトについて公表された河田氏の「挨拶」からまさにその思いを貫く一貫性が見受けられる。
 「災害に勝つというのは勇気がいること。勇気がないから挑戦できないということではなく、立ち向かっていくという心構えが防災にはとても必要であり、そういう心も絵本を通して伝えたいと考えています」――

 ちなみに河田氏は、東日本大震災直後の2012年4月に、親子のための避難と防災の絵本『にげましょう 災害でいのちをなくさないために』(共同通信社・刊/2014年2月に同「地震編を増補した特別版」刊)を上梓している。

河田惠昭・編著『にげましょう 特別版〜災害でいのちをなくさないために〜』(共同通信社・刊)の表紙より
河田惠昭・編著『にげましょう 特別版〜災害でいのちをなくさないために〜』(共同通信社・刊)の表紙より

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●絵本原案(文章作品)+クリエーターも募集
 プロからアマチュアまで、想像力とともに災害を語り継ぐ
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「防災100年えほんプロジェクト」の概要(同パンフレットより)
「防災100年えほんプロジェクト」の概要(同パンフレットより)

 募集する絵本の原案となる「ものがたり」は、「100年先の未来まで伝えたい」というモチーフに基づくものとなる。災害から命を守るために大切なこと、防災・減災を推進するうえで大切なことを、数世代先の人びとにまで届け、伝え続けるため、「ものがたり」(文章作品)に表現する。内容は、事実に基づくもの、フィクション(創作)どちらでも構わない。入選作品はウェブサイトで公開するとともに、選抜作品の絵本化を進める。

写真上・左から、選考委員の河田惠昭、竹下景子、住田功一、池上三喜子の各氏(プロジェクトHPより
写真上・左から、選考委員の河田惠昭、竹下景子、住田功一、池上三喜子の各氏(プロジェクトHPより

 「ものがたり」の選定は、「選定委員会」により応募作品の中から優れた作品を選定し表彰、副賞が授与され、入選した作品の数作品の絵本化を推進する。
 選定委員会メンバー(第1回)は、河田センター長のほか、俳優・竹下景子氏、住田功一氏(大阪芸術大学、元NHKアナウンサー)、池上三喜子氏(市民防災研究所理事)。入選した作品はウェブサイトで公開。また英訳して公開されるほか、その他言語への翻訳も推進するとしている。

 絵本づくりについては、入選作品の中から「えほん化コンペ」を経て選定された作品を実際の絵本として制作し、刊行する。「えほん化コンペ」は、登録したクリエイターに依頼し、提案を募るかたちで実施。登録クリエイターは「えほんクリエーターズ・クラブ」のメンバーとして、えほん化コンペに備えて必要な情報や、防災の学びを深めるための情報が提供される。すでに作家として活動している人はもちろん、今後絵本分野にデビューしたい人、絵本の創作や美術を学んでいる人など、幅広い応募が可能だ。

 阪神・淡路大震災、東日本大震災、そして近年の災害多発を受けて、映画、ドラマ(ラジオドラマ、舞台劇なども含めて)、小説、アニメなどいろいろな分野で、プロからアマチュアまで、災害・防災をモチーフとする創作活動、災害を語り継ぐ試みが目立つ。
 まさに「創作の力で災害文化は定着する」――災害・防災への想像力こそ災害文化醸成の源となる。

防災100年 えほんプロジェクト

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